東京南部全労協沖縄ツアー報告 / 全労協新聞 2016年11月号

東京南部全労協沖縄ツアー報告 / 全労協新聞 2016年11月号


全労協
http://www.zenrokyo.org/

全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm
より



●東京南部全労協沖縄ツアー報告

本土にも広げたい
勝つ方法は、あきらめないこと



 南部全労協は、十月二日(日)~五日(水)の日程で沖縄ツアーを行った。

 第一日目の二日は、佐喜眞美術館へと向かった。美術館では、沖縄戦の図を観た。この絵に描かれている人物は。「真実を見つめる少年」以外、瞳が描かれていないという解説者の言葉を聞きながら、絵の持つ迫力を支える作者の強い思いを感じた。

 第二日目の三日は、予定していた伊江島行きは、台風が接近しているとのことで断念して、川野名護市議にホテルまで来ていただきお話をしてもらった。

 「沖縄北部(ヤンバル)は、敗戦後の米軍政の時代から基地と闘い続けてきた。沖縄は基地はいらないと民意を何度も明らかにしてきた。今、翁長知事をはじめ民意を反映した政治を懸命に行っている。しかし、安倍政権は全く逆のことをやっている」など、沖縄の戦後史のクイズも交えなからお話があった。

 三日目の四日は、フォトグラファーの山本英夫さん(世田谷区職労出身)の案内で高江に向かった。

 高江の通称FIゲートに向かうと、今日は工事が台風の余波で中止されているということだったが、機動隊のかまぼこが列をなしていた。品川ナンバーの車もあった。機動隊の他にアルソックの警備員も並んでいた。彼らは、一様にうつろな目をして立っていた。

 次に通称NIゲート裏に行くと偶然様子を見にやってきた山城博治さんたちと出会った。山城さんは「政府は、高江の自然を壊して強引な工事を進めているが、ノグチゲラの繁殖期を迎えて工事かできなくなる前の来年の二月あるいは今年中に工事を完成させようと焦っている。自分たちは、一日でも一時間でも工事をストップするために頑張っている」と語った。

 続いて大浦湾がよく見える瀬嵩の海岸に移動した。ここで山本さんから辺野古新基地の概略を伺いながら、目の前の海に作られようとしている巨大な基地を想像して改めてその空恐ろしさを感じた。

 この日は、夕方からは、ヘリ基地反対協の共同代表の安次富浩さんと辺野古の海で闘う船員さんのお二人と山本さんと交流会をした。

 四日目の五日は、朝から辺野古に行った。辺野古の浜で安次富さんから話を聞いた。安次富さんはパネルを持ちながら豊かな海の生き物たちを説明した。そして「今は和解条項にしたかって工事が止まっているが、先日の地裁の判決は、政府の意向をまるのまま受け入れたもので許しがたい。最高裁での判決が出たら力ずくで工事を強行するだろう。これに対して今まで通り私たちは闘い抜く。この自然豊かな海を戦争のための基地には絶対にさせない。今こそゆるぎない団結を示す時だ。是非本土でも闘ってほしい。」と語った。

 続いて、私たちはキャンプシュワブヘと向かった。キャンプシュワブでは、台風に備えてたたんでいたテントの復旧作業が行われていた。闘い続けていくためにはこうした日々の努力の積み重ねがあるのだということを実感した。ツアー参加者の「このテントを建てる作業に自分か携わったと思うと愛着が沸く」という言葉が印象的だった。

 このツアーで知ったこと、感じたことをひとりでも多くの人に伝える決意も新たに帰路についた。

(東京南部全労協事務局長 藤村妙子)