安倍政権打倒のために共闘の維持・拡大を / 全労協新聞 2016年11月号

安倍政権打倒のために共闘の維持・拡大を / 全労協新聞 2016年11月号


全労協
http://www.zenrokyo.org/

全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm
より



安倍政権打倒のために
共闘の維持・拡大を

全国労働組合連絡協議会議長 金澤 壽


 九月二十六日に「アベノミクス加速国会」と位置づける臨時国会が、圧倒的多数を占める巨大与党のもとで開会した。初日の安倍首相の所信表明演説の途中海上保安庁、警察、自衛隊をたたえて、「今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか」と英雄視するような呼びかけ行い、それに促された自民党の議員が一斉に起立して拍手を送る異様な光景があった。

 この「敬意」の先に、県民の意思を無視して強権的に進めようとしている辺野古基地建設、高江周辺で進められているヘリパッドの移設工事、南スーダンヘの「駆けつけ警護」等々が見える。そして臨時国会が中盤にさしかかり、晨林水産大臣が「TPP承認」について議員運営委員長に強行採決を求めるかのような発言をするなど、衆参両院での圧倒的多数を背景にした横暴さか目につく。


新潟知事選
勝利の教訓



 安倍首相の判断は分からないか来年一月の衆議院解散・総選挙が取りざたされている。こうした最中、衆院東京一〇区と福岡六区の両補欠選挙で、野党四党は民進党公認侯補に一本化したにもかかわらす野党陣営の結束が乱れ自民党系候補に当選を許してしまった。

 しかしその一方で、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働が大きな争点となった新潟県知事選で、共産、社民、自由の三野党が推す候補者か勝利した。この結果が教訓を示している。たしかに野党共闘への壁は厚い。しかし昨年からの大衆運動の高揚と、それを背景としてつくり出された野党共闘参議院選挙では一定の成果を示したのではないか。民進党にはこの民意を自覚してほしい。

 いすれにしても遅くない時期に予想される政権選択を問う衆議院選で、安倍政権打倒のためにこの共闘を維持・拡大させていかなければならない。国会で圧倒的多数を占める与党に抗するにはこの野党共闘の再構築が求められる。そしてこの潮流を、労働者・労働組合の責任としてわれわれがつないでいかなければならない。