京セラ株主総会 / 全労協新聞 2016年8月号

京セラ株主総会 / 全労協新聞 2016年8月号



全労協新聞
より


京セラ株主総会

JAL不当解雇を
会社が逆宣伝



 六月二十四日、京都市伏見区の京セラ本社ビルにて京セラ株主総会が開かれ、三年連続出席した。"日本航空の不当解雇撤回をめざす京都支援共闘会議"は、「JAL不当解雇撤回」などのノボリ旗を掲げて京セラ百メートルピル前に居並ぶ。たくさんの株主や通行人が「稲盛経営哲学の本質」を暴露するピラを受け取り、早々と用意したビラはなくなってしまう。

 司会の山口悟郎社長は、「昨年は日本航空の問題が出されたが、日本航空の労使問題については別会社の問題であるのでくれぐれも発言をお断りする」という条件をくどくど述べた。おかげで、知らなかった人間まで含めて何か京セラはJALの労使問題と関係があると気づかせ、すこい逆宣伝を社長はしてくれた。

 私は議長のほぼまん前で「議長!」と最初から挙手したが、全く当たらない。だいぶたってから挙手する人もいなくなり、しぶしぶ私が当てられた。私は、「インサイダー取引をした幹部社員が出たが、長年京セラフィロソフィーというか崇高な利他の精神とかいう、稲盛経営哲学を学んだ幹部社員から十数万円を不当に得るための人間が出て来るのか。民進党京都選挙区の事前応援演説会に元気に出席する稲盛氏が、自社である年一回の私たちの株主総会に来ないのはなぜか?」と二つの質問を行った。

 これに社長答えて曰く、「インサイダー取引問題にはただただ謝罪するしかありません。稲盛は八四歳で、その日その日の体調で、『きょうはやめとくわ』ということでございました」と。

 JALの副操縦士逮捕による欠航、故障による計一日三件の欠航、京セラ幹部によるインサイダー取引事件といい、稲盛経営哲学もかなり老朽化して陰りを帯びてきたようだ。

(JAL闘争京都共闘事務局次長・稲村守)