全労協/ NTT木下争議終結にあたって / 全労協新聞 2015年11月号

全労協/ NTT木下争議終結にあたって / 全労協新聞 2015年11月号


全労協
http://www.zenrokyo.org/

全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm
より



全国労働組合連絡協議会
第27回大会報告


NTT木下争議終結にあたって

34年間の
闘いに
悔いなし



全国一般東京労組
木下孝子



 多くの皆さまに支えられ今日まで闘ってまいりましたNTT木下争議は、先日の支援共闘会議の幹事会で闘争終結の結論を出すに至りました。

 私に対する頸肩腕障害に端を発したNTT(電電公社)の不当な解雇は、一九八一年六月十九日に行われました。その撤回と争議の解決を求め三四年を超える闘いを続けてまいりました。ここまでこられたのも、ひとえに皆さまの物心両面に亘ってのご支援のたまものと心から感謝申し上げます。

 争議は終結とさせていただぎますが、今後とも微力ながら皆さまの闘いに共闘していきたいと思っています。

 NTTは「裁判で決着ずみ」との姿勢を崩そうとはせず、こう着状態が続く中、国会議員事務所との連携を図ることができ、厚労省総務省交渉を実現させました。この成果をNTTとの交渉へと発展させ、解決への道筋を立てようと努力しました。NTTから会うとの回答を得て、交渉を持つに至りました。しかしNTT側からは労務担当との接触労務政策の根幹に関わることであり得ないとして、秘書室が対応しました。NTTの対応は何ら変わることはないとの回答であった、と報告がありました。

 報告を受け、人生をかけた三四年の闘いのいろんな思いかよぎりました。職業病に罹病させた責任を一切取らず、たった一枚の紙切れで職場から放りだしたことを許すことはできず、絶対に許せない思いで、やむにやまれず闘いに立ち上がったこと、多くの団体、仲間の皆さまのご支援をいただく中で、NTTで働く夫と一緒に手を携え闘うことができたこと、などです。

 こういう思いの中、自分なりに精一杯闘い続けてきたし、できることはやりきったとの思いと、心身ともに限界を感じての終結の決断でした。解雇され、精神的にも肉体的にもズタズタにされたのでしたが、人間らしい気持を取り戻すことができたのは、あきらめることなく闘い続けてくることができたからだと思います。支えていただいた多くの皆さまとの出会いは、私にとって大きな財産だと思います。

 NTTに対し、「頚肩腕にり病させ解雇した」責任を取らせることはできず、NTTに対する怒り、くやしさは消えることはありませんし残念でなりませんが、三四年間を振り返り、いろんな方のお力添えですべてやりつくし、終結しても闘いに悔いはなしのとの結論でした。

 そしてNTTに対する最後の抗議行動となった十月一日の東京総行動で、皆さまに発声させていただきました。雨の降りしきる中でのNTT持株会社へ前の行動には七十人を超える仲間に結集をいただき、NTTへの抗議のシュプレヒコールの中、要請は全労協中岡事務局長をはじめ八人で臨みました。NTTに対して、「不誠実な態度を許すことはできないし、忘れることはない。それどころか、今まで以上に、貴社の労務管理に対して注目し、問題が生じれば糾弾の声を上げ続ける決意である」とした抗議文を手渡しました。