最低賃金15-37 甘利明経済再生担当相と塩崎恭久厚生労働相の記者会見

最低賃金15-37 甘利明経済再生担当相と塩崎恭久厚生労働相の記者会見

7/16 経済諮問会議

甘利明経済再生担当相と塩崎恭久厚生労働相の記者会見


1.記事 甘利明経済再生担当相

首相 最低賃金引き上げ、経済影響調査指示



1-2.大臣会見 16日と17日

甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨
•日時:平成27年7月16日(木曜日)18時13分~18時38分
•場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室


同じく民間議員から、「最低賃金の引上げを続けていくことが重要である。最低賃金を上げることで、賃金全体も上がっていく。また、来年の春闘に向けて、2%の物価目標にふさわしい賃上げ率のコンセンサスを形成していく必要がある。」

続いて私から、「最低賃金を引き上げることで給与全体も上がってくる。3年目も更に上げていきたい。物価が上昇して賃金が上がるのではなく、賃上げが物価上昇を牽引していくようにしたい。」

安倍総理から、「最低賃金を上げることによる経済効果、消費への影響、経営者側への影響などがわかると良い。政策的な観点を加味しながら、最低賃金の在り方を考える上で、どのように最低賃金が影響を及ぼすかを教えていただきたい。」




甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年7月17日
平成27年7月17日(金) 10:00~10:06  於:官邸エントランスホール)

(問)昨日、経済財政諮問会議の中で、最低賃金の話をされていました。最低賃金を上げる、次に上げたいと。総理がその後、最低賃金の経済効果についての調査を委託されたのは甘利大臣という理解でよろしいでしょうか。


(答)内閣府に調査をせよということの御指示をいただいたわけであります。総理は最低賃金の引上げもかつての内閣にないくらい、意欲的に取り組んでおられますし、事実として、民主党政権時代の3年間は、12円程度だったと思いますが、安倍内閣になって、2年間15円、そして16円と引き上げてきているわけであります。

 最低賃金が底上げ効果と、格差是正効果につながっているというのも事実であります。安倍内閣としては、賃上げが連続的に起こっていて、それが経済を牽引する。物価が高いから、それをオーバーライドする賃上げということでスタートしていますけれども、目指すべき経済は、賃上げが適度の物価上昇を誘導していくという形にしていきたいと思っているわけです。

 でありますから、当初、政府がそこまで介入するかという御批判もいただきましたけれども、政府があそこまで介入していかないと、この賃上げは、実現できなかったと思っておりますし、総理もそういう思いを語っておられました。

 やはりデフレマインドがしみついているので、経営者が攻めの経営ができなくて、利益が上がって内部留保が史上最高値になっている中でも、局面打開への踏み込みができなかったわけですから、政労使の介入がなければ、あの賃上げは実現できないというのは事実だと思いますし、そういう意味で、これからも積極的に賃上げが経済を牽引すると。そして次は、総理の言葉をお借りすれば、投資、設備や研究開発や人材への投資を、デフレマインドを払拭して思い切って踏み込んでいく。それが経済を牽引していく鍵だということを言っておられましたから、この秋に官民対話を行っていく。これがまた一つの節目になっていくのではないかと思います。


(問)最低賃金は、権限的には、塩崎厚生労働大臣のところですけれども、その調査結果を受けてその後話し合うということでしょうか。


(答)総理がおっしゃった調査結果は、最低賃金が経済にどういう影響を与えるか。これはプラスもマイナスも企業にとってみれば、中小企業にとってみれば、経営を圧迫するという声もあるかもしれません。

 それがどういうプラスマイナスの効果をもたらすか。その際にマイナス効果をどうやって減殺していくかというのは政府の役目だと思いますから、適切に最低賃金を引き上げていくために、どういう環境整備が必要か。そしてその経済効果、最低賃金を引き上げ、経済効果がどのくらい大きいのかということを、しっかり検証していきたい。そういう中で適切な最低賃金の引上げをしていきたいということであろうと思います。





2.記事 厚労相

引き上げの流れが重要=最低賃金議論で厚労相


2-1.塩崎大臣閣議後記者会見概要

http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000091988.html
塩崎大臣閣議後記者会見概要
(H27.7.17(金)9:43 ~ 9:54 省内会見室)


(記者)
 昨日の(経済)財政諮問会議で最低賃金が話題になりまして、民間議員から最低賃金の引上げを求める声が出たほか、甘利経済財政担当大臣からも、3年目も更に上げていきたいという発言がありました。今年の改定の議論はすでに中央最低賃金審議会で始まっているんですが、塩崎大臣としても昨年の上げ幅を上回る上げというのを期待されていらっしゃるのか、お考えをお聞かせください。

(大臣)
 これは第1次安倍内閣の時も、中小企業などの生産性を上げながら、最低賃金も上げていくことによって、賃金水準全体を底上げしていくということを基本としていました。第2次安倍内閣もそのようなスタンスを取ってきているわけでありまして、政府の方から賃上げの流れを作っていくということは、政府としては極めて重要な問題だということをずっと言ってきたわけであります。今、公労使での審議会、中央最低賃金審議会で、この春の賃金上昇とか、物価の上昇の実態などを踏まえて、実質的に生活水準が向上するかどうかということの見極めをしながら最低賃金の引き上げをどのようにするべきなのかということについて議論をしているところでありまして、まだ結論は出ているわけではないと理解しているところでございまして、昨日議論があったところでありますけれども、更に賃金・物価の動向を踏まえて、そして経済の再生の状況を踏まえて、答えを出して、賃上げの流れはやはり作っていくということは変わりはないと思います。

(記者)
 関連して、(経済財政)諮問会議の席上で、安倍首相が最低賃金を上げることの経済効果、消費への影響、経営者側の影響が分かると良いというふうにおっしゃったのですけれども、これは厚生労働省で何か調査などを検討されるんでしょうか。

(大臣)
 これはすでに諮問会議で「影響度」という形で出したことがありました。初めて出したものがありましたが、要するに最低賃金のところでどのくらいの人がおられるかということによって、最低賃金をちょっと上げるだけで大勢の方が影響を受けるか、それともあまり影響を受けない状況になっているのかということはしっかり見ていて、我々としては影響度は大きくなっていると、趨勢(すうせい)的に、したがって最低賃金を上げるということはそれなりに意味があるというふうに考えていて、特に賃上げを推進しようということを安倍内閣として進めている、これは公労使で話し合ってきたところでもあり、また、官邸でも随分な議論が重ねられてきたところであります。