最低賃金15-25 全国一般全国協 最低賃金パフンレット 7頁目/8頁
最賃と生活保護の比較の問題点
最低賃金で働いた収入が生活保護費を下回る「逆転現象」は昨年すべて解消したと言われています。しかし、最賃審議会で活用されている「最低賃金と生活保護との比較算定方法」には以下のような問題があります。
【最賃を大きく見せている】 改善すべき内容
①労働時間を長く算定
使用者側主張の173.8時間を採用 ⇒ 実労働時間150時間の採用
②税金と社会保険料の控除を少なく算定 ⇒ 各地の実態を踏まえるべき
【生活保護を少額に見せかけている】
①生活扶助は少なく算定
人口加重平均の生活保護基準を採用 ⇒ 県庁所在地の値を用いるべき
②住宅扶助を少なく算定
生活保護者の実績値の家賃を使用 ⇒ 制度の基準額を用いるべき
③勤労控除を不算入 ⇒ 含めるべき
最低賃金審議会の完全公開
最低賃金審議会の審議の中心は実質的な金額審議が行われる専門部会です。審議は「原則として公開」となっていますが鳥取と和歌山を除いて、全国の審議会で専門部会を「非公開」としています。これでは審議会は原則、非公開であるとしかいいようがありません。
ワーキングプアーや、貧困が問題にされる中で、最低賃金引き上げは大きな社会的注目を集めています。最低賃金審議を公開し、大いに論争し、今日、要求されている最低賃金の水準、社会的に意味ある最低賃金制度とは何か、そのためには現行制度の何をあらためるべきか、などを発信していくことが求められています。最低賃金審議会の完全公開を強く要求していきましょう。