全労協/ 仲間を信じ、訴え 我々の声を大きく / 全労協新聞 2015年2月号

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仲間を信じ、訴え 
我々の声を大きく
 / 全労協新聞 2015年2月号



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コラム
疾風

仲間を信じ、訴え
我々の声を大きく

井村好博


主主義とは何か。昨年の総選挙で考えさせられた。

数字ばかりの羅列で申し訳ないが投票率が過去最低の五二・六六%。一億三九六万二七八四人の有権者のうち五四七四万三〇九七人が投票し、四九二一万九六八七人は投票しなかったことになる。今回の自民党比例代表で得た得票は一七六五万八九一六票、公明党が七三一万四二三六票。得票率は自民党三三・一一%で公明党が一六・〇一%だった。合計しても四九・一二%、過半数の数には届いていない。しかし結果は議員定数の三分の二を超える巨大与党が前回に続いて誕生してしまった。

総務省統計だが、二〇一二衆議院選挙の投票率で二〇歳代の投票率は三七・八九%、三〇歳でも五〇・一〇%。一昨年の参議院選挙では二〇歳代が三三・三七%、三〇歳代が四三・七八%しか投票していない。昨年の年代別投票率はまだ出ていないが、全体の投票率から言ってもそれよりは低い数になっていることは想像できる。

政治不信や今回の投票日の天候等様々な理由はあるにせよ投票する権利のあるおおよそ半分の人が投票せず、未来のある若者がさらに投票していない現実に驚いてしまう。

我々組織されている労働者労働組合と政治については少なからず学習はされていると思う。しかし、この間の大組織における組織内候補の選挙における得票数は必ずしも多くはないのではなかろうか。これも労働組合組織率の低下や、労働組合に対する期待感や認識の薄さからの現実なのか。

都合のいい考え方ではあるが、投票に行かなかった人は少なからず「どうせ変わらない」「誰がやっても同じ」との言葉が聞こえてくる。ということは現在の政治に対し多少の不満は持っていることになる。この人たちが投票行動に結び付けば、簡単に政権は変わるという現実が見えてくる。

勿論、私たち労働者や組織された者たちが政治に対して自らの生活に結び付く問題と捉え、仲間に訴えかけていかなければならない。

アキラメ、シラケだけでは何も変わらない。自らの生活実態を見るとき、税金や年金、社会保障費など政治の場で決定されることばかりである。また、労働者にとっての法律も同様だ。今後、自公政権は、前政権で廃案になった労働に関する法案を再度提出してくることは明らかである。さらには、原発問題、平和問題など闘う課題は現在の状況では多くはなっても少なくはならない。

闘いは続かざるを得ないであろう、しかし、再度アキラメ・シラケからは何も生まれない。仲間を信じ、訴えかけ、増やし、我々の声を大きし、勝利の展望を確信して取り組んでいくしかない。