安倍内閣退陣へ大きな運動を
平和の闘いで、労働者・労働組合が中心を担おう
労働組合と市民の団結で戦争をする国づくり阻止へ
安倍首相は、七月一日の「集団的自衛権行使容認」の閣議決定後の記者会見で「自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはこれからも決してない。外国を守るために日本が戦争に巻き込まれるということもあり得ない」「日本は再び戦争をする国になるということは断じてない」と断言した。しかし、十月八日に公表された日米防衛協力指針の改定の中間報告では、現行の指針にある「周辺事態」を削除し、地理的歯止めをなくして米軍支援の方向性を打ち出している。これは、自衛隊が海外でアメリカと共に戦争に参戦することができるということが集団的自衛権行使であることを明らかにしている。
ただ、これで直ちに日本国が集団的自衛権を行使できるわけではない。集団的自衛権を行使するには、現行法の規定との矛盾を解消する必要があり、自衛隊法や周辺事態法、PKO協力法等々の法律改正が必要とされている。
そもそも憲法を改正せず、閣議決定と法改正で集団的自衛権を行使すること自体が重大な問題である。この横暴を許せば、日本はアメリカと共に世界中どこでも、米国の米軍軍事戦略の下に自衛隊を戦わせることになる。もし将来、日本が再び戦争を行うという悲劇を繰り返したならば、歴史を振り返ってみたとき、今われわれがこれを黙認するならば、この集団的自衛権の行使容認の責任は、安倍政権にだけではなく、われわれ労働者にも責任が問われるのだと思う。
福島の原発事故から三年半以上経過したが、事故の原因が分かったのか、事故の収束の展望があるのか、廃炉への展望はあるのか。いまだに十三万人以上が避難している。それなのに何故多くの市民が反対している鹿児島川内の原発を再稼働しなければならないのか。また、沖縄県民の八〇%を超える方々が反対しているにも関わらず、何故辺野古に米軍の新基地をつくらなければならないのか。このようなことは絶対許してはならない。今まさに戦争をするような国家の体制を阻止するために労働組合と市民が団結しなければならない。
このようななかで十月十七日、日比谷公会堂で「10・17戦争への道をゆるさない東京集会」が、戦争させない東京一〇〇〇人委員会の主催で開催された。この集会には労働組合を中心に約一九〇〇人の労働者が結集した。
「戦争させない一〇〇〇人委員会」は、今年の三月に結成され、現在のところ三五都道府県に一〇〇〇人委員会が結成されている。そして多くのところで戦争反対の市民運動も起こっている。しかし市民だけでは安倍政権を包囲して退陣に追い込むことはできない。労働組合の役割が問われている。労働者が、労働組合がこの闘いに大きく結集することによって初めて安倍内閣を動揺させ、退陣に追い込むことができると思う。
かつて日本における戦争と平和を守る闘いは総評など労働組合が中心的役割を果たしてきた。時代が変わっても、われわれの生活と権利を守る闘い、そして平和の闘いは、地域、職場を問わず労働者、労働組合が中心に担わなければならない。