全労協/ 沖縄反基地闘争報告 / 全労協新聞 2014年9月号

全労協沖縄反基地闘争報告 / 全労協新聞 2014年9月号



●沖縄反基地闘争報告

沖縄県知事選に勝利し
新基地建設を阻止しよう


安倍政権は、七月一日の「集団的自衛権行使容認」の閣議決定と同時に、辺野古新基地建設について、キャンプシュワブ沖の沿岸から五十mに設定されていた従来の立ち入り禁止区域を二㎞沖まで拡大し「臨時制限区域」を設定する閣議決定をしました。埋め立て予定地がすっぽり入る範囲に、基地建設に反対するために進入すれば刑事特別法で逮捕し、弾圧するためです。


これに対し、七月七日からキャンプシュワブのゲート前でボーリング調査用機材等の搬入を許さない行動が始まりました。しかし七月二十日真夜中、防衛省は調査用機材を四十台以上の大型トラックで運び込んだのです。姑息な真夜中の搬入は人数の関係もあり、阻止できませんでした。その後、防衛省は浮桟橋やフロート、ブイ、スパッド台船の設置を行い、八月十八日には埋め立てにむけてのボーリング(海底掘削)調査を強行しました。辺野古の海に初めて杭が打たれたのです。


七月以降海上では、海上保安庁が機関砲を装備した大型巡視船十九隻を配置して沖合から人々を威圧し、三十隻近くのゴムボートで、抗議するカヌー隊を「制限禁止区域」外で強制排除し、出航を阻止したり、カヌーのメンバーを羽交い絞めにして拘束したり、顔に傷をつける暴行まで行っています。しかし、海上行動隊はこのような弾圧にも屈せず、毎日海へ出て、基地建設反対の意思を明確に表しています。海上行動と共に闘われているキャンプシュワブのゲート前での資材の搬入を許さない闘いも、継続的に展開されています。


これほどまでに横暴なやり方で日本政府が目論むものは何か。それは、十一月十六日に沖縄県知事選があり、それまでに基地建設を既成事実化し選挙の争点から外し、県民をあきらめさせることが狙いなのです。しかしそのやり方は、地元紙が「これほど沖縄と敵対する政権が過去にあっただろうか」(琉球新報七月二十七日社説)と書くほど、多くの人々の怒りを生み出しています。県内世論調査では、常に七割以上が新基地建設に反対している民意に安倍政権はことごとく敵対しているのです。

七月二十七日には、従来の保守・革新の立場を超えて「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」が結成されました。結成後、「島ぐるみ会議」のメンバーも辺野古に駆けつけ、諸行動を共にしています。心を一つにして、基地建設を許さない新たな島ぐるみの闘いが始まっています。知事選に向けても、建白書の立場に立ち、保守・革新の枠を超え基地建設に反対する翁長那覇市長を擁立する方向でまとまっています。現職の仲井真知事は、昨年末、公約を翻して辺野古の埋め立て申請を承認後、今回のボーリング調査にも無責任な発言を繰り返すなど基地建設推進の態度を露わにしてきています。知事選前の九月には、沖縄県内の統一地方選が行われ、今年一月に「新基地NO!」を訴えて再選された名護・稲嶺市長を支える名護市議選も行われます。名護市議選に勝利し、県知事選で「基地を造らせない」と公約する新知事を誕生させていく。

沖縄の闘いは今、大きな正念場に来ています。もちろん国家権力に立ち向かい、新基地建設を阻止するのは、沖縄現地だけの力では限界があります。是非、全国の仲間の皆さんからの物心両面にわたる支援・連帯をお願いしたいと思います。

(下地厚 常任幹事 全国一般東京労組)