全国一般東京東部労組HTS(阪急トラベルサポート)支部が「偽装みなし労働」の撤廃を求め、所属する「阪急トラベルサポート」を相手に二〇〇八年に提訴した全三本の不払い残業代請求裁判のうちの一つ(第二事件。一人の組合員の二本の海外ツアーについての不払い残業代を請求)に一月二十四日、最高裁の判決が言い渡された。最高裁第二小法廷の小貫芳信裁判長は会社の上告を棄却し、添乗業務への「事業場外みなし労働」適用を否定した。これにより二審東京高裁判決も確定、HTS支部の完全勝利判決だ。
当日の記者会見でHTS支部組合員は「長い闘いだった。労働組合でかちとった勝利。今後も組合員一丸となってがんばる」と決意を表明。弁護団の一人である棗(なつめ)一郎弁護士は「みなし労働について初の最高裁の判断。添乗員だけではなく、蔓延しているみなし労働のルーズな適用にまったをかける判断だ」と評価した。
この最高裁判決は全国の一万人派遣旅行添乗員に立ち上がるきっかけを与える画期的・歴史的な判決だ。「事業場外みなし労働」を口実とする残業代不払い・長時間労働を、労働組合で闘って改善することができる、HTS支部の六年間の闘いが証明した。
(菅野存 全国一般東京東部労組委員長)
(F)