松井知事は「東京地裁判決に従え」と訴える(10月23日)
●大阪府の中労委命令取消請求裁判
十月二十一日、東京地裁は大阪府が求めた中労委命令取消請求を棄却しました。橋下徹知事就任とともに、府・府教委は教育合同が求める講師雇用継続団交を拒否する姿勢に転じました。教育合同は、二〇一〇年から府労委に救済を申し立て、昨年末には中労委において救済命令が出されました。ところが、府は命令に従わず、東京地裁に行訴したのでした。
東京地裁は、地公法適用一般職員と労組法適用非常勤職員等でつくる混合組合は、それぞれの労働者を代表する団交権が保障されていると判示して、一般職員が多数の教育合同は職員団体だから団交権あるいは救済申立適格がないという府の主張を退けました。また救済申立は労組法七条各号において認められるとして、従前の一・四号のみ申立権があるとの裁判例を否定しました。
また、非常勤講師等の雇用継続を求める事項は義務的団交事項であるとして、任用だから管理運営事項に当たり団交事項でないとの主張を退けました。
この東京地裁判決は混合組合の団結権・団交権を完全に保障する画期的な内容となっています。加えて判決は、非常勤職員等の少数職種労働者が一般職員と同じ組合に加入することは「自然なこと」として、法律で分断された正規職員と非常勤職員の団結形態にまで切り込みました。判決は、非正規と正規労働者が一緒の組合をつくることが当然のことだと認定したのです。
判決当日、教育合同は「勝利判決報告集会」を行い、代理人である宮里邦雄弁護士を東京から招いて判決の意義を確認しました。また争点を同一にする大阪地裁事件への影響について在間秀和・定岡由紀子弁護士から説明を受けました。
二十四日には、二〇一二年講師雇用継続要求団交拒否事件について、府労委は団交拒否の不当労働行為と認定する命令を行いました。
橋下・松井・維新の会の労働組合敵視政策を転覆させる好機が到来しています。
東京地裁判決と同日、教育合同が連帯しているマディソン教育労働組合(MTI、前号参照)が勝ち取った判決水準が拡大する出来事がありました。ウォーカー知事が制定した団交権制限州法は違憲だとの判決をMTIは勝ち取っていましたが、他の労組は裁判を行わなかったから団交権は制限されるとの州政府に政策に対して、同一裁判所から「違憲は誰に対しても違憲である。州政府は裁判所を侮辱している」との意見表明が出されたのです。MTIは東京地裁判決ともども祝意を示しています。
(山下恒生教育合同執行委員、大阪全労協議長)
(F)