11・25被ばく労働を考えるネットワークいわき相談会 全労協新聞2013年1月1日号 2面

11・25被ばく労働を考えるネットワークいわき相談会 全労協新聞2013年1月1日号 2面




●11・25被ばく労働を考えるネットワークいわき相談会

問題がある原発労働の多重下請
被ばく労働者の労働条件向上を


十一月二十五日、福島いわき湯本の「いわきゆったり館」で「被ばく労働を考えるネットワーク」主催の「講演会・相談会@いわき第一回」が開催されました。

福島第一原発の収束作業や除染作業で働いている労働者・避難されている方々を対象に、労働相談・健康相談・生活相談が行われ、数名の方が相談に訪れました。同時に「労働者被曝と健康影響~健康を脅かされる被曝労働者~」と題して阪南中央病院副院長の村田三郎さんの講演会がおこなわれ、全国各地の活動家や地元の労働者が参加しました。

村田医師は3・11の震災・原発事故以前から広島・長崎の原爆被曝者の健康診断や治療、実態調査のほか、福島原発の下請労働者の実態調査など、労働者や住民の被曝問題に長年関わってこられた方です。講演は長年の取り組みの蓄積のすべてをぶつけるような六二頁にもなるパワーポイント資料によってプレゼンされ、福島原発震災による広汎な放射能汚染の状況、原発事故後の労働者被ばく、放射線の健康影響、被ばく労働者の健康管理と少数しか認定されない労災の現状などが語られました。多重下請構造下で働く労働者の被曝線量が圧倒的に高いこと、東京電力は作業現場での高い放射線量を事前に把握しながら注意喚起を怠っていたことが糾弾され、原発労働のような危険業務を管理責任があいまいな多重下請けで担うことに疑問が投げかけられました。

講演後には、活発な質疑応答・発言が相次ぎ、福島第一原発で働く息子さんをもつ母親は「息子は自分たちがやらなければ事故は収束できないとの思いで働いているのに、(このような扱いでは)馬鹿にされている。」と発言、また会場からは「原発で働く人はすべて国家公務員にするべき」と政府・東電への怒りの声があがりました。

主催の「被ばく労働を考えるネットワーク」からは、福島に拠点をつくり相談会を口コミで広げて行くこと、全国キャラバンを行うことが発表され、引き続き被ばく労働者の労働条件向上を勝ち取っていくことが確認され、相談会・講演会は成功裏に終了しました。

登川琢人東京東部労組書記次長)



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