復興連帯春闘に勝利しよう 全労協新聞2013年1月1日号 2面

復興連帯春闘に勝利しよう 全労協新聞2013年1月1日号 2面


イメージ 1

講演をする熊沢誠甲南大学名誉教授


全労協13春闘討論集会

復興連帯春闘に勝利しよう
脱原発社会の実現に全力を上げよう


第四六回総選挙と東京都知事選投票日前日の十二月十五日、東京・交通ビルにおいて全労協13春闘討論集会が行われた。諸隈事務局次長の司会で開会した討論集会は金澤議長の主催者挨拶にはじまった。議長は、選挙闘争さなかの13春闘討論集会となったが、どの候補もよりタカ派を主張し合うなど選挙情勢は厳しいこと、また、連合東京が猪瀬候補の支援と原発賛成を表明したことは労働組合として看過できないと厳しく批判し、全労協に結集する労組は、官民力を合わせて気持ちを一つに13春闘を闘い抜こうと呼びかけた。

今回の講演は、甲南大学名誉教授の熊沢誠さんによる「貧困・格差社会労働組合の課題」と題して行われた。熊沢さんは、一月に「労働組合運動とはなにか―絆のある働き方を求めて」と題する著書を出版される。この著書の「労働者にとって労働組合が必要!」は熊沢さんの生涯のテーマとのことで、著書の原稿を手にしながら熱心に討論集会参加の組合員たちに、労働組合運動が果たす役割の重要性について労働組合の現状への率直な批判も込めて語られた。

講演は、①格差と貧困を見る視点、②日本労働組合運動批判、③組合運動復権のために、いまどのような労働組合運動が必要で可能かと、大きく三点に分けて行われた。

ヨーロッパの「貧困」は高い失業率に見られる失業を原因としているが、日本の「貧困」は働いているのに貧乏な労働者(ワークングプア)が多く、しかもこの労働者たちは現状を改善する発言力を失い、職業選択が生涯を決めている。ただ貧乏なだけでなく柳田国男の言葉にある「孤立した貧乏」であり、これは一九九〇年代以降の労務管理に原因がある。

日本ほど労務に関して規制のゆるい国はない。日本の労働者たちは格差と貧困に対して労働組合の責任を追及しないがその理由は「期待しない」から、悲惨な労働者の現状の裏側には必ず労使関係があり、個人の受難に寄り添わず放置し企業の論理へ屈従する労働組合が見抜かれている。

労働組合運動の明日を探ると、企業別組合でない産業別組合の支部としてノンエリートの職場組合主義を復権する新たな価値観が求められている。また、中小企業の横断労組として奮闘する全港湾や関西生コンなどの運動から学び、政府から自立した社会運動を展開しなければならないとして、総選挙投票日前日の講演を締めくくった。

休憩をはさみ中岡事務局長から13春闘方針が提起された。混沌とした状況のなか日本の将来を左右する政権選択の迫られる重要な選挙をまえに、EUやアメリカをはじめとする世界経済危機と急激に悪化する日本経済のなかで闘う全労協の13春闘は、震災復興連帯春闘を継続し、脱原発闘争を強化し、生活できる大幅賃上げ獲得と長時間労働と闘う春闘としよう。全ての職場でスト権を確立し、ストライキを配置して闘おうと、13春闘の闘いの目標と進め方が提起され確認された。

次に、JAL原告団の鈴木さんから闘争報告を受けて、全労協の各産別・労組からの決意表明が行われた。発言は、都労連和田副委員長、国労鈴木執行委員、全国一般全国協議会渡辺書記長、全統一佐々木書記長、郵政産業労働者ユニオン須藤書記長、NTT職場からN関労東本部田原書記次長、大阪全労協・教育合同労組井澤さんと続き、最後に東北全労協亀谷事務局長から被災現地からの切実な訴えを受けた。

昭和シェル労組瀧委員長からSLU基金について紹介があり、集会の最後は金澤議長の団結ガンバローで締められた。



(F)