1.神戸新聞の記事
ルポライター鎌田慧さん脱原発訴え 明石で集会
原子力発電に頼らず、自然エネルギー中心の社会づくりを目指す「さようなら原発1000万人アクション」の兵庫県集会が4日、明石市中崎1の市民会館で開かれた。ルポライターの鎌田慧さんが「今こそ一人一人が決意して行動するしかない」と訴えたほか、福島県の女性が東京電力福島第1原発事故後のふるさとの窮状を語り、約700人が耳を傾けた。
長年、原発の問題を取材してきた鎌田さんは、「原発は一言で言うと、うそだらけ。うそを言い続けて、お金で説得するという方法で進んできた」。発電所建設の見返りに自治体にもたらされる「原発マネー」の問題や核燃料サイクル政策の限界などを説明し、「子どもの命を守るため、自然エネルギーに転換を」と強調した。
福島県内で喫茶店を営む武藤類子さんもステージに上がり、「3・11以来、世界が変わってしまった」と述べた。「震災後、避難するかどうかや食べ物の安全など、考え方の違いで住民間に分断が生まれ、切り刻まれていると感じる」とし、「首相は原発事故の収束宣言をしたが、何一つ終わっていない」と声を絞った。(中島摩子)
(2012/02/05 09:03)
2.当日のパンフレット (リタイプ)
■日程
日程
13:00 DVD上映「原発~その利権と構造」
13:30 開会 司会 大島 淡紅子(宝塚市議会議員)
黙祷
13:40 主催者あいさつ
岡崎 進 (ひょうご地域労働運動連絡会議長)
13:50 問題提起
鎌田 慧さん (ノンフィクション作家)
14:40 歌-平和への思いを歌で
出演 はるまきちまきさん
15:00 福島からの訴え
武藤 類子さん (ハイロアクション福島)
15:30 これまでの取り組み報告と提起
森 哲二 (さよなら原発・兵庫事務局長)
15:50 集会アピール
森 妙子 (脱原発明石・たこの会)
15:55 閉会あいさつ
16:00 閉会
■
2011年3月11日の東日本大震災により発生した東京電力福島第一原子力発電所による原発事故は、高濃度の放射性物質が海水・大気・土壌に放出される未曽有の大事故となっています。事故後の福島近隣の住民の健康不安と精神的苦痛、特に放射能の影響に敏感な子どもたちや次世代を育んでいく若い人々への健康被害は重大といえます。農産物や海産物への影響、就労や生活への不安なども生み出されています。そして、結婚差別や就職差別など「福島差別」がはじまっていることも現地から発信されてもいます。
こうしたなかで、内橋克人さん、大江健三郎さん、落合恵子さん、鎌田慧さん、坂本龍一さん、澤地久枝さん、瀬戸内寂聴さん、辻井喬さん、鶴見俊輔さんの9人が呼びかけ人となり「さよなら原発1000万人アクション」が呼びかけられ、「原発にさよなら1000万人署名」の取り組みが呼びかけられました。
いま、原発を拒否する声はさまざまな運動となって広がっています。私たちは、政府や財界、電力業界など原発推進派の圧力や宣伝に負けることなく、大きな市民の力でさらなる運動の広がりを作っていかなければなりません。
「1000万人署名」は、1月20日現在で3,886,894筆が集約されていることが報告されています。改めて、「脱原発にカジを切り、再生可能エネルギー政策への転換」にむけ「1000万人署名」の取り組みを強化しましょう。
私たちの生存と未来の子どもへの責任を果たすため、脱原発・持続可能で平和な社会をめざして全力をあげましょう。
■脱原発・兵庫アピール
私たちは、チェルノブイリ原発事故の後、原子力発電が未来に向けたすばらしい科学技術ではないことを実感しました。核は決して、人間が扱えるような生易しいものではないと学習しました。そして、若狭湾に11基もの原発が連立している、すぐ近くの兵庫県という地に暮らす多くの市民が原発を止めたいと行動を進めてきました。
しかし、止めることが出来ないでいるうちに、福島の原発震災が起こってしまいました。もう国民の中にも原子力は危ないことは、知れわたったはずです。しかし、それでもまだ止められずにいます。その上日本は、開発途上の国々に輸出しようとまでしています。
利権を持った特権階級の人たちだけの地球ではありません。また、その人たちだって、この地球に暮らしているのです。SFの世界のように町全体を密閉し、人工の空気しか吸えない・・そんな地球にしたくありません。
福島の稲藁を与えた三重の牛の肉からセシウムが検出され、和牛が食べられなくなりました。福島の山林から出荷した腐葉土からも、セシウムが検出されました。そして、コンクリートからも・・全く善意の人たちが、想像もできずに出荷したものでした。人々は、風評被害と言います。心苦しいのですが、風評ではなく現実です。
緊急避難として除染活動をされているボランティアの方々をはじめ関わっておられる方には申し訳ないのですが、放射能は取り除けません。無害にはできません。人間にはそんな能力はまだありません。移動させることしかできないのです。そして、拡散してしまうのです。
私たちは本当に心配しています。たたでさえ、空間線量の高い中に暮らしておられる福島の人々は、食べ物にも放射性物質が含まれています。内部からも外部からも、結果として被曝させられているのではないかと。内部被曝は直ちに身体に影響はでません。5年も10年も経ってから、ジワジワと体調不良として、体調に現れます。東京電力は、今までのように「放射能との因果関係は認められません」と発表するでしょう。私たちは、福島の人たちにこそ、近畿の、あるいは関西以西の、農・畜・水産物を食べてもらいたいと願っています。私たちは、福島の人たちに、福島の子ども達に、何かできないものかと切に願っています。
そして、この地球上から、あらゆる核を廃絶したいと願っています。私たち子ども達に、この美しい地球を残したいと願っています。戦争にも平和にも、人々を、地球を、傷つける核は要りません。私たち世代は、責任を持って、核を処分する道筋を作らなければなりません。皆さん、一緒に先ず、日本の原発を止めることからはじめましょう。
2012年2月4日
(F)