機関紙『全国一般全国協』(第109号2011年10月31日)
3面
派遣法改正案の早期成立を!
有期契約労働に実効ある法規制を!
審議の促進を要求しよう!
労働政策審議会労働条件分科会での有期契約労働規制に関する審議は、中間とりまとめ(論点整理)を経て、9-11月に4-5回程度、締結・終了、処遇など中心的問題点に関し検討し、12月にまとめスケジュールになっていた。しかし、有期契約そのものに反対している使用者側委員の反が背景にあったのか、やっと10月24日に審議入りするという大幅なずれ込みが起こっている。このままでは、年内報告とりまとめが危ぶまれる。
派遣法の抜本改正は、国会に上程されているのに、店晒しのまま2年が経過しようとしている。雇用破壊、生活破壊をこれ以上進行させないための労働分野の規制強化の流れが多くの闘いで作られたにもかかわらず、経済・金融危機と、震災、原発事故を口実に逆転させようとする動きが強まっている。
この逆流を跳ね返し、派遣法の抜本改正、実効ある有期契約労働法制を実現するために、各地域で議員要請行動や労働局交渉、対労政審要請行動など今秋の闘いを全力で取り組む。
1 有期労働契約について 2 その他 | New 11月8日
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委員名簿 | |||
1 有期労働契約について 2 その他 | |||
「有期労働契約に関する議論の中間的な整理」について |
参考記事 東京新聞
【暮らし】
<はたらく>派遣法改正 たなざらし 「早期成立」求める声
2011年11月11日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/images/PK2011111102100021_size0.jpg |
「どこまで我慢すればいいのか。正社員、非正規社員といった身分で差別されることのない社会に一刻も早くしてほしい」
十月中旬、東京都内であった「反貧困世直し大集会二〇一一」。「廃案にさせない労働者派遣法改正!」と銘打った分科会で、派遣労働者として働く関東地方の五十代女性は訴えた。
十年以上前に母子家庭になり、就職先を探したが正社員になれなかった。派遣会社に登録をして今の派遣先企業で働き始めた。
労働者派遣法で定められた専門二十六業務の一つ「OAクラーク業務」に就き、データ入力や文書作成をする契約。しかし、実際は正社員と同じ仕事を何でもこなし、必要に迫られて英語も独学で学んだ。
正社員への登用を目指し、毎年一つのペースで資格を自費で取得したが、時給アップにすらつながらない。正社員なら当たり前のボーナスや住宅手当、慶弔休暇もない。
上司のミスを押しつけられ、課長に相談すると「そんなにつらいなら死んだらどうか」と暴言を吐かれた。契約は三カ月更新を繰り返し、更新が近づくと雇い止めを恐れて、びくびくする。「人間扱いされていない」と感じている。
改正案では、登録型派遣を原則禁止とするが、専門二十六業務については例外とする。専門業務の見直しもなく、この女性の場合、今回の改正で直接今の雇用形態に規制が掛かるわけではない。それでも「まずは労働者保護を目的とした改正を実現してほしい」との思いから声を上げた。
◇
要請書は、改正案が一年半も審議されないまま放置されていることを批判。「成立が遅れれば、貧困はさらに拡大する」と訴えた。
名古屋大の和田肇教授(労働法)は「労働者派遣法は、より総合的な規制をかけ、専門的な知識や技術を生かし、希望する働き方を選べるという本来の性格に戻していくべきだ」と指摘。「従来は家計の補助的な働き方だった非正規労働が、家計を支える人にまで広がっている。雇用と所得を安定させるため、新しい雇用システムの全体構想を政治主導で議論するときではないか」と語る。
(F)