全労協/ 寄稿 沖縄は屈しない / 新聞 2018年11月号

全労協寄稿 沖縄は屈しない / 新聞 2018年11月号



全労協新聞
より



寄稿
沖縄は屈しない

沖縄平和センター議長 山城 博治


 沖縄は今、翁長雄志前知事の壮絶な死、そしてその後の県知事選挙における玉城デニーさん圧勝の歓喜の中で、迫り来る日本政府の圧政に抗していく術を模索
している。

 日々報道される日本政府安倍内閣の問答無用の権力行使に県民の怒りと悲しみ
が炸裂する。だれかれと言うのではない、県民一人ひとりの胸の内で反撃の総決
起が呟かれ、いつか近いうち巨大なマグマとなって噴き出す時に備えようとして
いる。

 九月三十日。大方の予想を裏切るまさかの大逆転劇。自公侯補に八万票の大差をつけて、県知事選挙初の四十万票に迫る得票で当選した玉城デニー新知事。米海兵隊員の子に生まれ、親子二人きりの母子家庭に育ち、あらゆる辛酸を舐めて来たであろうその生い立ちからはおよそ想像のつかない笑顔と柔和な語り□。老若男女誰からも愛される新知事か誕生した。

 その玉城知事が総理官邸に安倍首相並びに菅官房長官を訪ねたのは十月十二
日。会談の席上玉城知事は、辺野古基地問題について政府また米軍当局も交えた三者による協議で解決策を探ろうと提案した。県民には素晴らしい新知事の船出と思えた。

 しかしそれからわずか五日後の十月十七日、安倍内閣沖縄県の新基地建設
承認撤回の効力を無効にする執行停止の手続きに着手した。防衛省国交省の間
で「審査を請求」し「執行停止を申し立てる」と言う。呆れ返る猿芝居に唖然とする他ない。以前、翁長知事が下した取消し処分に対するのと同様の手口だ。

 新基地ノーの圧倒的民意が示されたぱかり。他方で県都那覇市市長選挙の投開票日を直近の十月二十一日に控えたタイミンクでの政府の対抗措置発表に全県民が驚きの声をあげた。そして剥き出しの権力行使の宣言に凍てついている。(那
市長選挙は、オール沖縄の城間幹子氏が圧勝した)

 しかしながら沖縄はめげない。諦めない。故翁長前知事が常々語っていたように「政府の言いなりにはならない」「誇りある沖縄をつくる」ために、すべての県民が総決起で立ち上がる。ついにその時を迎えたのだ。王城知事はその先頭に立つだろう。私たち運動体もまたゲート前に座り込む。全国の仲間の皆さんの引き続きのむ支援を願いたい。共に団結を強めてたたかい抜こう!