全労協/ 第30回 全労協大会を成功させよう / 新聞 2018年10月号

全労協第30回 全労協大会を成功させよう / 新聞 2018年10月号



全労協新聞
より


第30回 全労協大会を成功させよう
労働組織の枠を越えた共闘市民と立憲野党と連帯し安倍改憲を許さない闘いを


九月三十日から十月一日の両日にかけて、私たち全労協は三十回大会を開催する。この一年の闘いをしっかり総括し、新たな闘いへ向けて前進するための固い意思統一を獲得していこう。この三十回大会を日本労働運動の低迷から再生へ向けて新たな飛躍を遂げる転換点としていこう。この九月二十日に開かれた自民党大会は安倍晋三氏を自民党総裁に三度決定し、安倍政権を継続させることとした。

ちょうど一年前、憲法違反の閣議決定による集団的自衛権容認や戦争法の強行採決など国会の独善的ファッショ的運営を続ける政治手法に加え、安倍首相による国政の私物化、強引な九条改憲策動、友人・取り巻きとの利権政治であるモリ・カケ疑獄への厳しい批判の下で、安倍内閣の支持率は三〇%前後まで低落していた。こうした厳しい労働者市民の指弾から逃れ、また野党からの憲法の規定に則った臨時国会開催要求に対して安倍首相は九月二十八日、臨時国会開催に踏み切りながら、その開会式冒頭に衆議院を解散して総選挙を強行して追求から逃れようとしたのである。

しかし、小池都知事による民進党を解体して希望の党を設立するという目論見によって、二〇一五年、戦争法に反対し、安倍改憲NOを旗印にして培われてきた野党共闘は乱れ、選挙結果は漁夫の利を自民・公明与党に三一三議席を与え、安倍首相は九死に一生を得るばかりか衆参両院で三分の二議席を獲得して圧勝したのである。

そしてこの一年、安倍首相は憲法九条改悪の準備を本格化させるとともに、朝鮮半島の緊張を煽(あお)って日米軍一体化と自衛隊強化、軍備増強を進めながら沖縄辺野古新基地建設を暴力的に強行してきたのである。また、アベノミクスの失敗を隠して国の借金は一、〇〇〇兆円を超える財政悪化を拡大してきた。そして「働かせ改革」と称して労働者には更に厳しい労働を強いる労働基準法などを大改悪させ、貧困・格差を拡大させてきたのである。

沖縄知事選の勝利へ!

安倍首相の続投決定は九条改憲攻撃との本格的な闘争を余儀なくさせることになる。安倍首相は今秋の臨時国会於いて自民党改憲案の国会提出を行おうとしている。また、自民党の幹部は来年参議院選挙前には国民投票の実施を発議することに言及している。また、トランプ米大統領との蜜月と追従が唯一である安倍政権の外交政策は沖縄辺野古新基地建設を何としても強行することとなるであろう。

沖縄では闘い半ばで急逝された翁長県知事が残した「辺野古に新基地を絶対作らせない」「沖縄に基地はいらない」という意思、辺野古埋立て承認撤回を守り抜くためにオール沖縄の闘いは全力で続けられている。玉城デニー知事候補者を先頭に九月三十日の投開票日に向けた闘いとキャンプシュワブ・ゲート前座り込み、辺野古の海で土砂搬入阻止の非暴力実力闘争が続けられている。九月三十日は私たち全労協の大会当日である。

この一年、私たちは安倍改憲を許さない闘いの正念場を迎える。また、沖縄県知事選後に予想される政府の辺野古新基地建設強行、辺野古の海に土砂搬入を強行すること事を阻止するための闘いを私たちが全力を挙げて闘うことを求めている。

三十回大会はこの改憲阻止の闘いと沖縄闘争勝利に向けて全ての仲間で意思統一を図り、闘いに決起することを確認する大会としなければならない。そして二〇一九年四月統一地方選挙、七月参議院選挙を立憲野党との協力共闘によって安倍政治を終わらせ、政治を取り戻す大転換の年としよう。

8時間働けば暮せる社会に同時に

安倍政権が継続するときに予想される労働者市民への攻撃は明白である。「世界で一番企業が活躍しやすい国」へと労働者に対する攻撃は更に強まることである。労働法制改悪は官邸・産業競争力会議経産省の主導の下で「働き方改革」で積み残された裁量労働制の適用拡大や解雇の金銭解決制度の導入、雇用関係によらない働き方などの法制化攻撃が準備されている。そして『労働生産性の向上』をキーワードにして公共サービスの民営化は更に進められようとしている。介護福祉分野にとどまらず、保育・医療・教育そして公務労働全般にまで及ぶ「会計年度任用職員」と称した非正規・臨時労働者を大量に囲い込もうとしている。「低賃金・無権利・不安定雇用」という囲いに女性労働者、中小企業労働者、外国人労働者などを押し込めようとすること容易に想像できるのである。人手不足と言われながらこうした労働者層が幾重にも重なることになろうとしている。

こうした労働者群に集中する低賃金・無権利状態を一刻も早く脱するための闘いは私たちの最大の任務である。権利拡大・大幅賃上げ、八時間働けば暮らせる社会を実現する闘いが求められている。その実現に向けて最低賃金制度を、文字通り、憲法二五条が保障する生存権を満たすものとして獲得しなければならない。19春闘を職場の闘いと併せて勝利させよう。そして、この基本的権利は都市と地方で格差が許されないものとして実現させよう。真の地方自治を実現する闘いとも呼応するものとしなければならない。四月統一地方選挙に勝利し、都市と地方格差解消、真の地方自治の獲得へ向けて全力を挙げよう。

労働者市民の信頼獲得を

労働者市民が直面するこの喫緊の課題に労働組合はどう立ち向かうのか。この一年は文字通り、日本の労働運動の行く末を決定する年になるであろう。

一九八九年、総評解散―連合発足、全労協出発から三十年が経過しようとしている。残念ながら、労働運動への信頼は大きく後退している。労働者市民の信頼を再び獲得するためにはこうした課題をしっかり闘い抜くことである。

この春、私たちは労働法制改悪阻止!全国キャラバンを実施した。全国各地で労働団体の枠を越えた労組や労働者、市民運動の協力を得て成功させることができた。私たち全労協が一層奮闘することはもとより、労働組織の枠を越えた共闘、労働者と市民の連帯、立憲野党との共闘によって平和を守り、誰もが暮らしていける社会の実現を求めて闘いを作っていくことが必要である。私たちはその先頭で奮闘しよう。