全労協/ 労働者の生活を破壊する安倍政権 / 全労協新聞 2018年8月号

全労協労働者の生活を破壊する安倍政権 / 全労協新聞 2018年8月号


労働者の生活を破壊する安倍政権
「戦争する国」づくりを許さない闘いと核のない社会の実現を!

西日本に最悪の被害をもたらした「平成三十年七月豪雨」、被害者の数はいまも増え続け、ライフラインへの影響も続いている。この災害で亡くなられた方も多く、そして今なお多く住民が避難生活を余儀なくされている。被災された多くのみなさんに、お見舞いとお悔やみを申し上げたい。

全労協はこの西日本一帯を襲った豪雨災害に対して、被災者救援と復旧のための一助として、緊急の「災害救援カンパ」を取り組む事を決定した。多くの仲閒のご協力をお願いするしだいである。

第一九六回通常国会が閉会した。政府が三十二日間会期を延長してまで成立させた法案は、過労死を招く「高度プロフェッショナル制度」などを含む働き方改革関連法、カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法、「党利党略」の参院定数を六増やす改正公職選挙法等々の六十本。

特に安倍政権が最重要政策とする「働き方改革」について、「労働基準法制定以来、七〇年ぶりの大改革」「皆さんが、意欲を持って働くことができる。誰もがその能力を発揮できる、柔軟な労働制度へと抜本的に改革します」と、総理大臣施政方針演説で述べられていた。

成立した「働き方改革関連法」は、改正労働基準法など八つの法律が主な柱になっているが、このなかで特に、高度プロフェッショナル制は、労働時間規制が外されるため、長時間労働への歯止めがきかなくなる。今後、労働政策審議会で、附帯決議も踏まえて検討が進められ省令がつくられ、来年四月から順次施行されようとしている。われわれは、労働者の生命と健康を奪い、生活を破壊するこの法の施行を許さない闘いを強めなければならない。

広島と長崎に原爆が投下されてから今年で七十三年目となる。昨年七月に国連会議で、核兵器の生産や保有、使用などを幅広く禁じる「核兵器禁止条約」が採択され、「核兵器禁止条約」は世界の流れとなった。しかし日本政府は、この条約会議に、「北朝鮮の脅威」を表明し、核保有五カ国とともに参加しなかった。

今年、朝鮮半島に大きな変化があった。四月の朝鮮半島南北首脳会談で発表された「板門店宣言」は、朝鮮半島の平和的統一、朝鮮戦争終結朝鮮半島の完全な非核化など歴史的なものとなった。南北首脳会談を経て、六月十二日に初めて米朝首脳会談が行われ、「新しい米朝関係を構築する」こと、「朝鮮半島における持続的で安定した平和体制を構築する」こと、「朝鮮半島の完全な非核化のために努力する」ことなどからなる「合意文」に署名した。

これまで日本政府は、「北の非核化」だけを問題にしてきたが、在韓米軍をそのままにして、「北の非核化」だけを求められるはずがない。「共同声明」でアメリカはこの現実を認め、実行の責任を明言した。八月の米韓軍事演習の中止あるいは縮小が伝えられ、東アジアは緊張緩和へと動き出している。こうした情勢を踏まえ、日本政府は、これまでの日米安保体制を抜本的に見直すべきだ。

一方、こうした世界の潮流(「核兵器禁止条約」)のなかで、アメリカをはじめとする核保有国が、核兵器使用政策をいっそう強化し、新たな核兵器の開発をすすめるなど、核使用と核軍拡の危険を高めていることも見過ごすことができない。「核抑止力論」に固執する安倍政権は、アメリカの核戦略見直し(NPR)を真っ先に評価した。

こうした逆流を許さない闘いがいっそう重要となっている。「戦争する国」づくりをやめさせる闘いとともに、核のない社会をどう実現させていくのか、いまわれわれは問われている。