会社逃亡を乗り越えて 全面勝訴を勝ち取る / 全労協新聞 2018年3月号

会社逃亡を乗り越えて 全面勝訴を勝ち取る / 全労協新聞 2018年3月号

●すくらむユニオン・ひろしま
会社逃亡を乗り越えて
全面勝訴を勝ち取る


 安芸高速運輸で長時間労働を強制され、挙げ句に解雇されたKさんは、広島地裁で全面勝訴を勝ち取った。解雇無効の地位確認と待機時間を含む残業代未払賃金の支払い判決であった。安芸高速は広島高裁に控訴するとともに、破産手続を行い、裁判途中で破産してしまった。このこと
によって裁判は消失してしまった。

 われわれは地裁判決が確定したものとして、解雇直後に発症した脳出血による労災認定平均日額の訂正と障害国民年金障害厚生年金に切り替える交渉をそれぞれ行ってきた。その内のひとつ、障害厚生年金への切り替えができる運びとなった。これにより、障害五級となったKさんの生活保障が一定程度できることとなった。

 一方、安芸高速は、息子を代表者とした広島トランスポートに資産を移し、全く同じ事業を継統している。Kさんはこの広島トランスポートを継承法人として残業代未払賃金の請求訴訟を行っている。