伊方原発運転に高裁で差し止め命令 / 全労協新聞 2018年2月号

伊方原発運転に高裁で差し止め命令 / 全労協新聞 2018年2月号



静岡県共闘
伊方原発運転に高裁で差し止め命令


12月13日、広島高裁は、四国電力伊方原発3号機の運転を9月末まで差し止める決定をした。

浜岡でも弁護団長を努める河合弁護士自ら、裁判所内から走ってきて、「勝った!」と報告した姿が印象的だった。

広島高裁は、伊方原発阿蘇カルデラから130キロ、大規模噴火が起こると「火砕流が到達する可能性が小さいとはいえず、伊方は原発立地に適さない」とした。

原子力規制委員会(規制委)の「火山ガイド」と呼ばれる安全審査に関する内規には、原発から160キロ以内に位置し、活動の可能性がある火山は、その活動の大きさを調査し、火砕流原発に到着する可能性が小さくないと評価された時には、原発の立地を認めないことになっている。

広島高裁は、四国電力が実施した原発内の地質調査やシュミレーションを検討し、約95万年前の阿蘇カルデラ噴火時の火砕流の想定は過少だと判断した。最大級の噴火でない場合でも、大量の火山灰が降積し、原発の運転は不可能になるため、立地は不可とし、規制委自身の内規に照合して、極めて明快な判断である。

今回の広島高裁決定の持つ意義は、
第1に、火山大国である日本の原発のいずれにも当てはまることである。火砕流であれば、九州、東北、北海道、静岡でも起こりえる。さらに、火山灰であれば、全国のどの原発にも降り注ぐ。
第2に、伊方原発3号機を「新規制基準」に適合したとした、規制委審査に不合理があり、電力会社側にたった審査を行い、原発推進に突っ走る姿勢を糾弾したことだ。

フクシマ過酷事故から6年半、反原発脱原発の民意を尊重した画期的な決定に、私たちは大きな勇気と自信を持ち、子どもたちの明るい未来を築くために、浜岡原発廃炉の運動をますます増強していこう。

(浜ネット 沖)