「働き方改革」と対決する / 全労協新聞 2017年2月号
全労協
http://www.zenrokyo.org/
全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm
より
直言
激論
「働き方改革」と対決する
17春闘として闘おう!
二〇一四年五月の提訴から約二年半、郵政ユニオンがたたかう労契法二〇条東日本裁判がこの二月、証人尋問を迎えます。小さな組合である郵政ユニオンがいくつかの困難に直面しながらも、有期雇用である原告を防衛しながら、ここまでたたかってこれたのは支える会に加入し物心両面から文字通り支えてくれた仲間のみなさん、そして多くの労働組合の存在があったからに他なりません。この場を借りて、心から感謝します。二〇条裁判は東京東部労組のメトロコマース裁判は郵政より一足早く証人尋問が終了し、昨年十二月に結審、三月二十三日に判決を迎えます。昨年十一月二日に東京高裁で逆転敗訴した全日建連帯労組の長澤運輸の裁判は上告審に移り、最高裁に口頭弁論を求める署名活動が取り組まれています。
非正規労働者の格差是正を求めた労契法二〇条裁判にとって今年は本当に重要な年になります。
このような中で、安倍政権は労働制度の大胆な改革、『働き方改革』を最大のチャレンジとして位置づけ三月に実行計画を決定していくこと、「長時間労働の是正」とこの国から「非正規という言葉をなくす」と豪語した「同一労働同一賃金の実現」が改革の最大の柱であり、「法改定について早期に国会提出をめざし、立案作業を進める」と今通常国会の施政方針演説で表明しています。昨年十二月に公表された「同一労働同一賃金ガイドライン案」は「現時点では効力を発生させるものではない」にしても、その内容は二〇条裁判に少なからずの影響を及ぼすことは間違いはずです。その意味でも三月二十三日のメトロコマースの判決には注目していかなければなりません。
いよいよ17春闘がはじまります。安倍『働き方改革』との対決は二〇条裁判の勝利と非正規差別NO!を掲げ、総がかりで非正規春闘をたたかうことです。「非正規労働者の処遇改善」は安倍政権ではなく、労働組合の課題であり、17春闘はその要求実現のための春闘です。
中村知明
全労協常任幹事・
全労協常任幹事・郵政産業労働者ユニオン書記長