17春闘を闘おう! / 全労協新聞 2017年1月号

17春闘を闘おう / 全労協新聞 2017年1月号


全労協
http://www.zenrokyo.org/

全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm
より

貧困・格差・差別を許さない!
働きがいのある人間らしい労働の
実現に向けて17春闘を闘おう



 16春闘では大企業の業績は大幅な増収増益であった。17春闘を前にして円安株高は進み、大企業は内部留保を積み増ししている。安倍首相のお声掛かりで「官製春闘」となった昨春闘の賃上げは二・〇%(連合集計)に止まり、中小零細企業労働者、非正規労働者にはいわゆる「アベノミクス」の恩恵はなく、多くの労働者には失望ばかりが広がった。日本社会は非正規労働者の拡大と少子高齢化の中で、貧困家庭は拡大し格差も拡大した。生活保護世帯は高止まりし、高齢者は年金で生活することもできず、若者は仕事に就いているもののそれだけでは生活できす、ダブル(トリプル)ワークによってようやく生活を支えている状況が続いている。

 一方、正社員は電通女性社員の過労自死に見られる長時間労働と、イジメ、うつ病にさいなまれる状況が拡がり続けている。ブラック企業とされる職場実態は学生アルバイトから大企業職場まで広範に存在し、かつ日常的なものとなっている。最低賃金が二五円引き上げられたものの、人らしく生活を維持するために必要な生計費にはほど遠く、根本的な解決・大幅賃上げと社会保障の再確立が求められている。

 安倍首相は「働き方改革」として長時間労働の規制や同一労働同一賃金の実現などを掲げ疲弊する労働者に耳障りのよい政策を実現すると宣伝を行っている。しかし、過労死を促進するという労基法改悪案は撤回しない。財界と約束している『世界で一番企業か活躍できる国』のためである。解雇の金銭解決を認める法制化も進めている。

 17春闘に臨む私たちの要求は明確である。「ディーセントワークと生活できる賃金を実現する」ために総かかりで取り組むことにある。非正規労働者と正規労働者の分断を許さず、性別や国籍、雇用形態による差別を許さない闘いが求められている。私たちはどこでも誰でも「二十万円/月以上、一五〇〇円/時以上」の賃金補償を求めて闘うことが求められている。そして長時間労働やハラスメントを許さない職場を作り出していくことが求められている。破壊されたセーフティネットを誰でも安心して暮らせるものへと作り直すことか求められている。

 こうした私たちの要求は闘いなくし実現しない。そればかりか、闘いを止めると更にブラック企業ははびこり、職場は逼塞したものとなる。ストライキを配置し、労組共闘を地域に張り巡らして闘っていこう。今、若者は未来の設計を描けず、老後は惨憺たる暮らしになることを拒否する闘いの一里塚に遭遇している。

 全労協は官民労働者の共同闘争として闘いを構築してきた。その力を17春闘勝利に向けて総結集していこう。安倍政権が進める戦争策動や原発再稼働に反対する全ての闘いと連携していこう。