闘いを継続すれば / 全労協新聞 2016年8月号

闘いを継続すれば / 全労協新聞 2016年8月号



全労協新聞
より



直言 激論

闘いを継続すれば
ピンチをチャンスに



 静岡県共闘は、九月に二七回目の総会を開催する。二十七年前はちょうど「連合」結成の年である。そのとき、金属一般(全金静岡地本)・紙パユニオン(安倍川製紙労組)・国労の三つの組合が、解散を決めた静岡県評大会の無効確認を求める訴訟を起こし勝利するが、県評をつぶしたいと思っていた人たちは、単独で解散を強行し、加盟組合の大半は、「連合静岡」に加入した。解散に反対した人たちはその後、「再建県評」クループ(のち全労連に加盟)と静岡県共闘に分かれ、現在に至るのだが、そんなこんなの事情があって今があるのである。

 今や、労働者の四〇%が非正規の時代であり、労働組合加入率はたった一七%という中での運動である。二十七年前のそれぞれの「決断」は、かすかな予兆は感じていたにせよ、まさかこんな酷い状態を予測していなかったと思う。それを見かね、十数年前の「連合評価委員会」から「企業内組合主義からの脱却」を指摘されたが、あっという間にそれは消え、議論すらなかったように、相変わらす非正規労働者の置かれた状態について関心を寄せることもない。まるで、年収二〇〇万円の非正規社員が同じ職場にいてくれるから、自分たちの六〇〇万円の年収か守られていると勘違いしているようだ。

 「地区労」が解体されても、わたしたちか奮闘している。七月中句、静岡市で「興和グローバルユニオン(KGU)」結成激励集会というものが開催された(記事参照)。

 静岡ふれあいユニオンの分会だが、七ヶ国アジア・南米)の外国人労働者と日本人労働者が手をつなぎ、「海を隔てつ我等腕(かいな)結びゆく~」と、国境を超えた団結を作ったのだ。「十三年間、年休を取ったことないです」と、中国人青年労働者の声か紹介されたが、そんな底辺に置かれた者同士の怒りが新しい団結に結実した。確かに状況は厳しいが、継続すれば、いつか、ピンチをチャンスに変えることも可能だ。

全労協常任幹事・鈴木英夫