全労協/ 派遣法改悪案成立 / 全労協新聞 2015年10月号

全労協/ 派遣法改悪案成立 / 全労協新聞 2015年10月号


全労協
http://www.zenrokyo.org/

全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm
より



●労働法制プロジェクト
派遣法改悪案成立
労働時間改悪は廃案



法施行日の九月一日を過ぎても何の修正案もだされないまま、九月八日参議院厚労委員会午前中の審議が続いた。最後の福島みずほ議員の質問が終わるや否や、自民党の委員が立ち上がり何やら発言。すぐに野党議員が駆け寄り委員長席の周りで抗議の声をあげ、傍聴席からは派遣の当事者たちが「採決をやめて!」と声を上げた。審議は三時半過ぎに再開され、自民党の委員が施行日延期(九月三十日に)他修正案の要旨を提案、何の質疑もないまま採決となり、たくさんの付帯決議がついた。九日参議院本会議、十一日衆議院本会議で再可決、成立した。三九項もの付帯決議は法案の不備を示している。

政府のいう正社員促進や雇用安定措置の実効性を担保するものはない。均等待遇は見送られ、派遣労働者は三年毎に雇用不安にさらされ、結局派遣先は永遠に派遣を使え、派遣労働者が期待した違法派遣の「みなし雇用」適用(十月一日施行)が一日前に無くなっただけだ。十一日の夕方から労政審労働力需給調整部会で政省令・指針の審議が始まり、十五日からたった三日間パブコメ募集で十八日には取り纏めを行った。労働側委員は異例の意見をつけた。

全労協は雇用共同アクションの一員として、派遣法・労働時間法制の改悪阻止で厚労省前、国会前行動、院内集会等に取り組んできた。終盤には派遣で働く当事者たちが声を上げ廃案を求めたが、安倍政権は聞く耳がなかった。労働時間法制の改悪案は上程されたが、審議されることなく廃案となる。

派遣で働く女性は多い。この改悪で女性の派遣化は一層進むだろう。八月末には女性の活躍推進法が成立し来年四月一日施行となるが、派遣や有期契約で働く女性たちが増えて、どうやって二〇二〇年に三〇%の女性が意思決定の場に行かれるというのか!政府のやることはまさに真逆としか言いようがない。こんな安倍政権には早く辞めてもらうしかない。