全労協/ 座り込みから一年 工事阻止へ自信を持つ / 全労協新聞 2015年8月号

全労協/ 座り込みから一年 工事阻止へ自信を持つ / 全労協新聞 2015年8月号


全労協
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沖縄現地報告

座り込みから一年
工事阻止へ自信を持つ



七月十八日、台風が来たことによりその開催が一週間遅れたが、辺野古のキャンプシュワブゲート前で、座り込み一年企画である「7・18辺野古アクション沖縄の未来は沖縄が拓(ひら)く」が約八〇〇人の参加で開催された。

昨年の七月からの座り込み監視・車両阻止行動は、今年の一月からは二四時間の行動となり毎日休みなく続けられてきた。そしてこの一年の間に陸のゲート前行動で不当逮捕は七人にのぼり、けがをした人は数知れない。海上の抗議行動においても、けが人も多数出て、海上保安庁海猿に対する特別公務員暴行陵虐致傷罪による告訴は四件にものぼっている。

当日は午前六時から八時まで通常の抗議阻止行動が闘われた。沖縄防衛局もこの日は阻止線突破が無理と見たのか、工事用車両は一台も現れなかった。いつもなら早朝の抗議団が帰った後の隙を突いて、機動隊の暴力による排除を行いながら工事用車両を基地内に入れるので、普通の日のこの時間帯の闘いが一番厳しいと聞いた。

そして十時からは、テント前での歌や踊りを交えての集会が開催された。いろいろな方からの挨拶があったが、全ての発言者に共通するのは、この一年間の海と陸とでの抗議・阻止行動に対する敬意と、「安保法案」が強行採決されたことに対する抗議、そして翁長県知事設置の第三者委員会が「辺野古承認に瑕疵あり」の報告が出されたことを評価し「自信を持って辺野古に基地を造らせない」というものであった。

昼食後は「アベ政治を許さない」のメッセージボードを掲げる基地への抗議行動に始まり、テント前での芸能大会を経て、最後は参加者全員のカチャーシーで一日の行動を締めくくった。

また七月二十四日には、「わんから市民の会」の呼び掛けで沖縄防衛局の包囲行動が取り組まれ、約四〇〇人の参加者が人間の鎖で防衛局を取り囲み、「新基地反対」「ボーリング調査やめろ」と抗議の声を上げた。

このような中で沖縄防衛局は、辺野古の一部埋め立て本体工事の実施設計と環境対策の二点に関する協議書を沖縄県に提出した。県は受理を保留したが、防衛局は「協議は開始した」と、協議が不調に終われば工事に入る構えを示している。中途半端な段階での強引な協議開始はどう考えてもおかしい。

今、沖縄では第三者委員会答申を基に、翁長知事が「埋め立て承認の取り消し」を多くの人々が待ち望んでいる状況である。国との法的なやり取りは存在するだろうが、「埋め立て承認の取り消し」を実効性のある工事阻止へと繋いでいかなければならないと思うし、「やれる」と自信を持って言えると思う。

(下地厚
全労協常任幹事)