2015/09/08/ 労働者派遣法の委員会採決に断固抗議する 京都総評

2015/09/08/ 労働者派遣法の委員会採決に断固抗議する 京都総評


【事務局長談話】                       2015年9月8日
労働者派遣法の委員会採決に断固抗議する
京都地方労働組合総評議会
事務局長 池田 和弘

本日、参議院厚生労働委員会で労働者派遣法改悪案が与党によって強引に採決された。改悪案は、過去2回廃案になったいわく付きの法案であり、審議がすすむにしたがって、政府が喧伝するように労働者を保護するものではなく、企業の都合によって、どんな業務でも期間の制限もなく派遣労働者を使い続けることが出来るようにするものであることが明らかになった。わたしたちは、今回の改悪は、「正社員・常用雇用が当たり前」の雇用の大原則を根底から破壊するものであり、断固容認できません。

今回の改悪によって、違法状態にある派遣労働者が1人でもいれば、派遣先が「労働契約の申し込みをしなければならない」との規定をなくし、さらに、これまで“期間制限のなかった専門業務”の派遣労働者も新たに3年の期間制限の中に組み込まれることとなり、派遣先は3年の上限期間が来れば、49万人にのぼる“期間制限のない専門業務”に従事する派遣労働者を含め、126万人もの派遣労働者が、企業側の都合による勝手な「派遣切り」にあう危険にさらされます。結果として、現在の派遣労働者の身分・労働条件がさらに不安定なものに切り下げられるとともに、正社員から派遣労働者への置き換えが進むことが予想される、雇用破壊の大改悪です。
しかも、財界・大企業の意を受けて、改悪法の施行日を9月30日とすることで、派遣労働者の救済のためにつくられた「労働契約申し込みみなし」制度が発動できなくしたことは、労働者に対する裏切り行為です。

わたしたちは、今回の労働者派遣法改悪の強行に断固抗議するとともに、委員会に差し戻し、徹底審議、廃案にすることを求めます。また、今後、企まれている、残業代をゼロにしようとする労働基準法の改悪を許さない闘いを強化し、必ず廃案とするために全力をあげていきます。