全労協/ 労働者派遣法改悪案、衆議院強行通過糾弾 / 全労協新聞 2015年7月号

全労協/ 労働者派遣法改悪案、衆議院強行通過糾弾 / 全労協新聞 2015年7月号


全労協
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全労協新聞
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●労働者派遣法改悪案、衆議院強行通過糾弾

低賃金・生涯派遣・首切り自由の働かせ方は許されない



自民・公明与党は六月十九日、衆議院厚生労働委員会を開催し労働者派遣法改憲案の採決を強行した。委員会には安倍首相も出席したが、民主党共産党からの質問に真摯に答えることもなく、「多様な働き方が求められている。

正社員化への道がある」と繰り返すのみで何らその根拠を示すこともできないのである。今回の派遣法改悪案が施行されればかえって現在専門業務で働いている派遣労働者の雇用が三年後には失われ、雇い止めを大量に発生させる危険性があり、企業は派遣労働者を安易に「低賃金で何時でも雇い止めできる労働者」として今以上に『モノ』扱いすることになるという批判に答えようとしないのである。

雨が激しく降る中、私たち、雇用共同アクション(安倍政権の雇用破壊を許さない共同アクション)の仲間は二〇〇人余が参議院議員会館前に集まって抗議行動を行った。厚労委員会を傍聴してきた柚木全労協常幹から強行採決の模様が報告され参加者は抗議のシュプレヒコールを繰り返した。午後には衆議院本会議に緊急上程されて自民党公明党の賛成多数によって可決された。許されない暴挙である。今後、参議院を舞台に改めて審議が行われることになるが、私たちは成立阻止に向けて更に闘いを強めていく必要がある。

衆議院での審議の過程で明らかになったのは、10・1問題、即ち「労働契約申し込み見なし制度」が今年十月一日から施行されることをなんとしても阻止したいとする経営の強い要求に政府が答えようとしていることである。派遣労働を更に使いやすくするためのものである。リーマンショックによる大量派遣切りや蔓延する違法派遣から労働者を保護する為に設けられたものの経営側の抵抗によって施行が二〇一五年十月一日まで先送りされてきたこの申し込み制度を施行前に葬り去り、そればかりか、三年ごとに労働者を変えれば同じ業務で使用することができる法律に変えようというのである。労働者は使い回しの道具にするというのである。また、派遣労働は専門業務で、臨時的一時的業務に限定するという原則を破壊し、何時でもどこでも低賃金で働かせるこもができ、いらなくなれば解雇できる労働者にしようというのが改悪案の本質である。

この改悪案が明らかになって以降、多くの派遣労働者が声をあげた。専門業務として技能を蓄積してきた労働者は三年後には解雇されるか、あるいは別の仕事に追いやられる不安を訴えている。政府はこうした声も全く無視して、経営の意のままに改悪を強行しようというのである。

私たちは参議院段階でも審議を監視し、自民党公明党による独善的な運営を許さず、廃案に向けて更に闘いを強めていく必要がある。

職場から全国から闘いを寄せ集め、廃案への大きな奔流を創り出そう。