全労協/ 労働者の力を結集し安倍政権打倒へ / 全労協新聞 2015年5月号

全労協/ 労働者の力を結集し安倍政権打倒へ / 全労協新聞 2015年5月号


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労働者の力を結集し安倍政権打倒へ

平和支援の美名に隠された戦争法強行は許さない
高浜原発運転差し止め判決につづき原発再稼働反対へ



四月二十二日、九州電力川内原発一、二号機の再稼働をめぐる運転差し止め仮処分を求めた裁判で、鹿児島地裁前田裁判長は、「新規制基準について『最新の科学的知見などに照らし、不合理な点は認められない』、川内原発で想定される最大の揺れ『基準地震動』の妥当性も、原子力規制委員会の判断に問題はない」として、住民の申し立てを却下した。福井地裁は十四日に、原子力規制委員会の規制基準について、「これに適合しても原発の安全性は確保されない」として関西電力高浜原発三、四号機の運転を差し止める仮処分を決めていた。

この司法の判断の違いはどこから出てくるのだろうか。安倍首相は「田中規制委員長から、いくつかの点で事実誤認があり、新規制基準や審査内容が十分に理解されていないのではないかとの明快な見解が示されている」「世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発について、その判断を尊重し、再稼働を進めていくのが政府の一貫した方針だ」と述べた。しかし東電福島原発事故は、「安全判断」を「専門家の判断を尊重」しても起きた事故ではないか。事実が示すようにひとたび過酷事故が起きれば住民の生活をおびやかし、今現在でも収束のめどすら立たない事態が続いている。「想定外」ではすまされるはずがない。福井地裁は福島第一原発事故を踏まえ、新規制基準に「適合しても安全性は確保されない」と、事故が絶対起きない厳格さを求めている。

安倍首相が参院予算委員会自衛隊を「わが軍」と呼び、菅官房長官は記者会見で「自衛隊は我が国の防衛を主たる任務としている。このような組織を軍隊と呼ぶのであれば、自衛隊も軍隊の一つということだ」と述べとマスコミが報じた。たしかに現在の陸海空の戦力の規模は、われわれから見れば「自衛隊は軍隊」だ。しかしこれは呼び方の問題ではない。憲法九条は「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と定めてあり、憲法の根幹にかかわる問題だ。

そんな最中、参議院予算委員会で政府が提出予定の安全保障関連法案を「戦争法案」と呼んだとして、自民党の理事が修正を求めたと伝えられた。だが国際紛争に対処する、他国軍の後方支援のための自衛隊海外派遣を随時可能とする恒久法、「国際平和支援法」創設は平和支援の美名に隠された「戦争法」ではないか。

「軍隊」は「戦争」を遂行する組織だ。安倍首相の頭の中は、自民党がすでに発表している憲法改正草案の「国防軍」の創設が盛り込まれているとしかいいようがない。

現在与党間で協議されている一連の安全保障法制が制定されれば、「日本の軍隊」自衛隊はどこへでも派遣され、他国軍防護はもとより、海外における武力行使まで可能になる。これは憲法「改正」なしの事実上の「国防軍」となる。自衛隊が他国の艦艇を防護すれば、集団的自衛権の行使とみなされる。攻撃した相手国からみれば、自衛隊は敵となり、自衛隊ばかりか日本が攻撃対象になるのは明らかだ。

そもそも日本の安全保障政策の大転換は昨年七月の集団的自衛権行使容認の閣議決定からだ。そして今、平和国家の原則と平和憲法は危機に立たされている。

最後に、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設について、マスコミの報道によれば、安倍首相は「辺野古移転の理解」を求め、翁長・沖縄県知事は「私は絶対に辺野古新基地はつくらせない」と述べたと伝えられている。

辺野古への新基地反対や安全保障政策、原発再稼働など圧倒的な民意を顧みない安倍政権打倒のために今こそ労働者の力を結集しよう。