全労協/ 沖縄辺野古現地報告 / 全労協新聞 2015年4月号

全労協/ 沖縄辺野古現地報告 / 全労協新聞 2015年4月号


全労協
http://www.zenrokyo.org/

全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm

●沖縄辺野古現地報告

ボーリング調査をやめろ
ゲート前テントは守った



二月のゲート前テント撤去に反対するため全国一般東京労組、全労働者組合からは、五人の仲間で参加した。キャンプシュワブゲート前では、毎朝基地建設のための工事車両、海上保安庁防衛省職員を入れさせないと車両を止めての攻防が毎日二三五日間続き、海でもカヌー隊が抗議し続ける。

本日二月二十六日がテントの撤去期限のため、テントをどうするかを巡って当局と話し合うも決裂しそうだ。テントは、日夜の車両監視と市民の安全を守るために作られた辺野古の闘い、そして沖縄の民意の象徴のようなものだ。

撤去期限を過ぎ、国土交通省職員との交渉も決裂により全面的な対決となる。同時に沖縄県辺野古の海底調査をしている最中で、工事によって珊瑚への損傷の可能性があれば知事による工事の中止を決定する。しかし政府は、県が海底調査を実施しているにも関わらずボーリング調査用の超大型スパッド台船をむかわせているという。

沖縄の民意をお構い無く踏み潰していく中央政府の驕りが透ける。夕方には国土交通省職員がやって来て「口頭での指導」としながら本日までに撤去しろと言ってきた。

午前0時。

テント前で緊張した面持ちで待ち構えていると、国交省職員が道路を二手に別れてやって来た。夕方以降、職員は定期巡回でくるが、今回は違いそうだと現場の皆の息使い、緊迫感が伝わってくる。私たちは隣の人間とスクラムを組んで待ち受ける。しかし、職員たちはそのまま引き返す。その日は、総勢七十人以上の体制で夜を徹してテントを守っている。山城博治さん司会で全国から来てくれた学生たちが元気に発言していたが、それぞれが率直な思いを発言され勇気を頂いた。沖縄で選出された糸数参院議員や沖縄の反基地建設の意思を持たれている議員らも夜を徹している。

二十七日早朝、ゲート前に入る。今日は何時にもなく米軍の装甲車両が通る。ライフルをも携行したバスが平然と国道を通行する。通行する米軍車両にも「ノーベース」「ゴーホーム」と沖縄の人々の怒りが叩きつけられる。座り込む人たちの「来るなら来い!」という思いがひしひしと伝わってくる。それでもテント撤去をするならば沖縄県民の総意を敵に回してでも構わないとする暴挙だと発言が響きわたる。昨日の沖縄タイムスでは、米高官が一月上旬に抗議運動の排除を主張していたという。(後に高官自らが一転し発言を否定)敵も本気だが、沖縄の人たちの強さも日々感じる。

国交省職員が巡回し続けるので、私たちも逆にジュゴンやプラカード、太鼓を手に手に職員に同行するというユニークな創意工夫のデモでお出迎え。流石にこれは国交省職員を意気消沈させてしまった。沖縄県民の本音は基地反対なのだから。

現場では、国交省職員数人が二四時間体制でテントを監視していたが、疲弊する様子がこちらにも伝わる。昨日の夕方、外れの方まで行くと職員一人がうな垂れていたので、「無理しないでね。あなた一人の身体じゃないよ」と声をかけると辛そうに笑いかけられる。

辺野古には沖縄の未来と世界にも通用する札束攻勢を否定する力がみなぎっている。人間が主人公の社会の姿がそこにはあるように感じた。また多くの方々にカンパや励ましを頂いた。その力は、辺野古の行動に合流する皆の力となりテントを守り抜くことができた。

(全国一般東京労組・全労働者組合
庄子正紀)