最低賃金15-05 兵庫労働局に「兵庫地方最低賃金審議会 公益委員の選任に関しての要望書」提出

最低賃金15-05 兵庫労働局に「兵庫地方最低賃金審議会 公益委員の選任に関しての要望書」提出


最低賃金15-04 兵庫地方最低賃金審議会委員の候補者の推薦に関する公示

兵庫地方最低賃金審議会 公益委員の選任に関しての要望書
最低賃金法改正の意義を踏まえた新しい視点での任命を~


構成は

1.はじめに
2.日本弁護士連合会の審議会委員の多様化に関する提案
3.公益委員の任命にあたっての新しい視点の必要性
ア)公共政策・社会政策の視点からの選任を
イ)改正最低賃金法を踏まえた選任を
ウ)ILO条約、国連・社会権規約委員会の総括所見(2013年5月17日)を踏まえた任命を


意見のベースにしているのは

日本弁護士連合会の審議会委員の多様化に関する提案
最低賃金制度の運用に関する意見書」(2011年(平成23年)6月16日 日本弁護士連合会)


「9 審議会委員の多様化
 審議会の委員は,労働者を代表する委員,使用者を代表する委員,公益を代表する委員によって組織されるところ(法22条),前2者については,関係労働組合,あるいは関係使用者団体からの推薦に基づき任命されている(法施行令3条)。
 しかし,就業関係の不安定な非正規労働者が全労働者の3分の1を占めるに至っていること,2007年改正法が,生活保護に係る施策との整合性への考慮を求めている事実に照らすと,委員の選任についても,改めて議論が必要である
 つまり,労働者を代表する委員を選任するにあたっては,例えば,実際に最低賃金の影響を受けることの多い非正規労働者を数多く組織する労働組合の代表の任命を積極的に進めるべきである。また,公益を代表する委員に関しても,労働法を専門とする学者のみならず,例えば,生活困窮者の就労支援等を行っている団体の出身者や社会保障法を専門とする学者からの選任も検討すべきである

の中の最低賃金法の改正と、公益委員に関する指摘。


(ア)は、公益委員の選任を、最低賃金法第1条の第二義的目的「最低賃金制度の実施の効果は社会政策、労働政策、経済政策等の各分野であるから、これらの分野において効果をあげること」から行うように求めるもの。
言い換えれば(書かなかったが)、第9条2項の中の3要素の1つにしか過ぎない「通常の事業の賃金支払能力」の専門家を公益委員に多用する必要は全くないということ。
全国の公益委員を調べているわけではないが、公益委員の選任のポイントが第1条ではなく、第9条のこの部分の専門家というように、間違って!?労働局が思い込んでいてはいけないので、という問題意識。
(意見書の中では、大阪、京都が公共政策などの方を会長にしていることに触れています)

(イ)は、日弁連の指摘

(ウ)は、日弁連の意見書後に、国連・社会権規約委員会の勧告がでているので、その点を追加。
昨年の審議会宛ての意見書の関連部分を再録しておいた。


同報告に関する社会権規約委員会の最終見解(2013年5月17日)(仮訳(PDF)http://www.mofa.go.jp/mofaj/image/pdf.gif英語正文(PDF)

18. 委員会は締約国内の最低賃金の平均水準が最低生存水準及び生活保護水準を下回っていること、並びに生活費が増加していることに懸念を表明する。(第7条、第9条、第11条)

委員会は締約国に対して、労働者及びその家族に相当程度の生活を可能にすることを確保する観点から、最低賃金の水準を決定する際に考慮する要素を再検討することを要求する。また、委員会は、締約国に対して、次回定期報告の中で、最低賃金以下の給与を支払われている労働者の割合に関する情報を提供するよう要請する。

▲勧告のポイントは、2つ。

1つ目は、
「労働者及びその家族に相当程度の生活を可能にすることを確保する観点
厚労省は目安の際の資料で、生活保護費を「12~19歳・単身世帯者」から出しているが、「その家族」という観点が抜けていて、それは全くダメだ!ということ。

2つ目は
最低賃金の水準を決定する際に考慮する要素を再検討することを要求する
⇒これは最賃法9条2項に示されている3要素の内、「通常の事業の賃金支払能力」を削除せよ!ということ。

こうした国連・社会権規約委員会の勧告をきちんと受け止めて審議会の議論を進められる方を。



最低賃金14-73 兵庫 意見書、要望書 提出

▲意見書の目次だけ。目次だけで1頁ある。


最低賃金14-43 最低賃金審議会資料に、昨年5月の国連・社会権規約委員会の最終見解を

最低賃金13-25  最低賃金審議会資料に、今年5月の国連・社会権規約委員会の最終見解を

▲今回の申し入れに合わせて、厚生労働省に再度求めた。