全労協/ 12・10東京電力申し入れ行動 / 全労協新聞 2015年1月号


15春闘勝利に向けて闘う

1210東京電力申し入れ行動
危険手当の性格を否定
ピンハネ助長の不当回答


全労協は、東京電力が、廃炉作業に従事する労働者の賃金・労働条件の改善と、健康で安心して働ける環境整備を目指して事業者責任を果たすよう、十二月十日、東京電力(株)に対して申し入れ行動を行った。全労協からは金澤議長以下脱原発プロジェクトのメンバー、福島現地から全国一般全国協議会傘下のいわき自由労組、ふくしま連帯労組の代表を加え十三人が参加した。

応対した東京電力(株)からは、立地地域部・原子力センターの吉田所長以下三人の副所長が出席し、原子力センター吉田所長は、福島第一原発事故から三年九カ月が経過したが、大変多くの方に避難生活を強いることについてお詫びする。引き続き労働環境・安全作業の確立に向けて努力していく」との挨拶を行った。

金澤議長から、「我々全国労働組合連絡協議会は反原発を取り組む労働組合である。福島第一原発に従事する作業員は過酷な労働を強いられ、賃金のピンハネなど正当な対価が支払われていない状況にある。今日は福島現地で原発労働者の相談活動に取り組む労働組合の代表も来ている。是非生の声を聞いてほしい」と発言し、申し入れ書に対する東電の回答を受けた。

申し入れ交渉では、東京電力アンケート調査結果の中、「賃金割増しの説明と支払い」で、危険手当について「必ずしも一万円増額されるわけではない」とはどういうことか、これの説明について追及したところ、平成二五年十二月以降の発注分から「設計上の労務単価の割増を行い契約」しているが、作業員一人一人が個々に受け取る賃金として設定しているものではないことの回答。

これに対して、「除染作業環境省は、危険手当として二万円を支給する指導を行っているが、東京電力は危険手当として考えないのか。」の問いに、「契約に作業員にいくら支給せよと記載するのは法律違反、工事の中で作業人員の数によっては企業により支給される賃金が異なってくるため、必ずしも同額の賃金になるわけではない」と回答し、福島第一原発の過酷な高・低線量下における「命を削る労働」に対し、危険手当(特殊勤務手当)の性格をねじまげる、一般公共工事労務金としてしか見ていない、不当な姿勢を示しました。

東京電力の回答は、重層的下請け構造の下で、多くの企業に賃金ピンハネ構造をより助長、促進させる以外の何物でもない姿勢が明白となった。全労協は、東京電力の無責任な姿勢を改めさせ、問題の決のため東京電力の道義的責任を認めさせ、実効性のある取り組みを求め、引き続き東電交渉を追求してゆく決意である。

(平澤勝常任幹事
脱原発プロジェクト)