全労協/ 安倍政権打倒でがんばろう / 全労協新聞 2015年1月号

全労協安倍政権打倒でがんばろう / 全労協新聞 2015年1月号


安倍政権打倒でがんばろう
平和と民主主義、安心して働き生活のできる
社会の実現をめざして全労協は全力で闘う


第四七回衆院選は、政府与党(自民・公明)が公示前勢力と同じ三二六議席を獲得した。投票率はこれまでの最低五二・六六%、これを比例代表でみると、全有権者約一億四二五万人とすると、自民党約一、七七〇万票(約十七%)で六八議席(選挙区二九一議自民党は四議席減)、同じく公明党約七三〇万票(七%)で、自公合わせて約二、五〇〇万票(約二四%)、これを圧勝あるいは大勝と報じたマスコミもあった。

直後の記者会見で安倍首相は「憲法改正はわが党にとって悲願。立党以来の目標であります。三分の二の多数を形成しなければいけないと、大変高いハードルですし、まだそこには至っていない。まずはそれに向かって努力をしていく」と述べ、「アベノミクス」を継続させるとともに憲法改正に向けた議論を推進する考えを表明した。

安倍政権の二年は何だったのか。「アべノミクスは確実に成果を上げている。雇用は一〇〇万人以上増え、賃金が平均二%以上アップした。成長戦略をさらに力強く実施」すると明言しているが、増えたのは二年前に比較して非正規労働者一二三万人、一方で正社員は二二万人減少している。賃金が二%アップしたというがそれは一部大企業労働者の名目賃金のことであって、多くの労働者は賃上げがなかったと答えている。

さらに安倍政権は、一時的・臨時的な働き方である派遣労働を恒常的に使用できるようにし、長時間働いても賃金は変わらない制度を導入しようとしている。今回は廃案となった労働者派遣法だが決して諦めたわけではない。

結局アべノミクスは、大企業、富裕層には利益をもたらしたが、大・中小企業、正規非正規労働者との格差拡大、貧困層を増大させた。

また安倍政権は、憲法の解釈を変え閣議決定した「集団自衛権の行使容認」は、他国の戦争に日本も参加することを表明したものだが、閣議定に沿った安保関連法案を次通常国会に提出してくる。

一方、東京電力福島原発故を忘れたかのように九州電川内原発は近く再稼働に踏み切る見通しであると伝えられている。福島は何も変わっておらず、十四万人もの避難者がいまだに故郷に帰れない。他の原発原子力規制委員会の基準を満たせば再稼働を認める方針であるという。

今度の総選挙でわれわれが問われたことは、労働者派遣法や残業代ゼロ法など労働法制の大改悪など、「世界で一番企業が活動しやすい国づく」に突き進もうとしていること。戦争放棄恒久平和誓った平和憲法をなきものにし、集団的自衛権行使容認や辺野古への米軍新基地建設、教育改革等々、戦争する国づくりを加速させていること。そして社会保障制度の改悪、原発再稼働、TPP参加など、労働者・市民の犠牲を強いる政権にどう立ち向かうのか。そして今後の日本社会をどのように造っていくのかが問われる、いわば歴史的な闘いであると位置づけ、全ての勢力および戦線は「安倍政権打倒」で結束しようと訴えた。

選挙の結果、安倍政権は継続するが、先に述べたように投票率は史上最低、与党の全有権者数に占める得票数の割合は三分の一にも満たない。にもかかわらず衆議院議席三分の二以上と圧倒的だ。政権への支持が全有権者の三割に満たなくても憲法改「正」を発議できる議席を与えてしまった。この結果を安倍首相は政権への信任と受け止めるだろう。しかし各紙世論調査などでは、安倍政権の安保政策、原発再稼働などを支持しない人は五〇%を超える。今回の選挙結果で「権力基盤が盤石に」と報じたマスコミもあったがとても盤石とは言い難い。手を緩めず安倍政権打倒で頑張ろう。

今まさに安倍政権によって労働者の雇用と生活が危機に瀕している。平和と民主主義、安心して働き生活のできる社会の実現をめざして全労協は闘おう。