全労協/ 広島土砂災 / 全労協新聞 2014年10月号

全労協広島土砂災 / 全労協新聞 2014年10月号




●広島土砂災

利潤追求優先より
国民の安全が第一


八月二十日未明の豪雨により発生した土砂崩れにより七四人の方が犠牲になりました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。

最も被害の大きかった広島市安佐南区八木地区の被災地は、山の裾を浸食するような形で家が建ち並ぶ扇状地で、災害指定地域になっていたそうです。

九月十四日、郵政ユニオン中国地本の呼びかけで十数人が広島土砂災害ボランティア活動に参加しました。スコップやツルハシで土砂を取り除く作業や家の軒先に積み上げられた土嚢をトラックの往来できる場所までリレー搬送する作業を行ったとのこと。しかし、土砂の中には大きな岩も混じっており、自然の力に対し人間の力で一日にできることには限界があることをつくづく感じたそうです。

それでも、被災された方々が元通りの生活に戻るには、この一日一日を積み重ねていくしかありません。引き続き、私たちのできる支援活動を取り組んでいきたいと思います。

この土砂災害は天災ですが、人災との批判の声もあります。無計画な宅地開発、年々縮小される広島県の砂防予算、人工林の荒廃、昨今のゲリラ豪雨の背景にあると思われる地球温暖化など。そして大雨警報が出されてからの行政の対応の遅れ。宅地開発や建築業者らの利潤追求が優先され、環境保全や人々の暮らしが後回しにされているのではないか。

集団的自衛権行使容認を閣議決定した安倍首相は「国民を守る」と何度も強調しました。集団的自衛権も軍需に携わる企業の利潤追求が第一で、国民の安全が二の次でないことを祈るばかりです。私たちは、今回の災害を教訓に、行政・県政・市政にも目を向けていきたいと思います。

(上関英穂 郵政ユニオン)