兵庫県議会 各種有給休暇・休業制度の利用率向上を求める意見書 可決
意見書第85号 | 各種有給休暇・休業制度の利用率向上を求める意見書 | H26.10.24 | 原案可決 |
意見書 第85号
しかし、平成24年の一般労働者(フルタイム)の年間総実労働時間は2,000時間を超え、週労働時間が60 時間以上の割合も子育て世代の30 歳代男性では 約18%と高い水準にあるなど、いまだ長時間労働は解決されていない。
各種有給休暇・休業制度の利用率向上を求める意見書
適切な労働環境の実現に向けて、平成19年に国、企業、労働者、地方自治体の合意により仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章が策定され、今年の改訂版日本再興戦略においても、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進が掲げられるなど、我が国における労働時間の短縮は従来から課題として認識されてきた。
しかし、平成24年の一般労働者(フルタイム)の年間総実労働時間は2,000時間を超え、週労働時間が60 時間以上の割合も子育て世代の30 歳代男性では 約18%と高い水準にあるなど、いまだ長時間労働は解決されていない。
長時間労働者の割合は、ILO加盟主要11ヵ国中2番目に多く、直近20年間にわたり低下傾向にある年次有給休暇の取得率も約47%と、諸外国と比較しても極めて低い水準となっており、全産業の約9割を占める小規模・零細企業においては、より厳しい労働環境であると推測される。
また、約240万人が働きながら介護をしていると言われる中、介護休暇・休業の取得率は極めて低調に推移し、介護を理由とした離職者は年間約10万人と推定されているほか、男性の育児休業取得率は約2.6%に留まっており、女性の社会進出や少子対策の妨げにもなっている。
有給休暇の完全取得による経済波及効果は15.6兆円、雇用創出効果は187.5万人と試算されるなど、経済活性化の観点からもさまざまなメリットや必要性が指摘されている。
よって、国におかれては、早急に下記事項に取り組まれるよう強く要望する。
2 通院や家事など短時間需要に応える、時間単位の有給休暇制度を導入する企業の割合を現状の
11%台から大幅に向上させるよう、目標値の設定を行うこと。
11%台から大幅に向上させるよう、目標値の設定を行うこと。
3 介護休暇・休業制度の利用率向上を推進し、働きながら家族の介護ができる持続的な仕組みを導入
すること。
すること。
5 観光産業の振興など地域経済の活性化に向け、長期連続休暇の取得を推進すること。
平成26年10月24日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官 様
総務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
平成26年10月24日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官 様
総務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
兵庫県議会議長 梶 谷 忠 修
この他にも昨年には
平成25年第320回定例会 意見書・決議
意見書 第66号
無期労働契約への転換など改正労働契約法の趣旨の徹底に向けた対策を求める意見書
本年4月に全面施行された改正労働契約法において、雇い止めの不安解消や期限の定めのない雇用に移行する道を開くため、有期労働契約の通算期間が5年を超えたときは、労働者の申し込みにより、無期労働契約に転換させる仕組みが導入された。
ところが今、一部の企業で、5年になる前に労働者を雇い止めしようという動きが見られる。これは、一時的・臨時的でない恒常的な業務で、本来なら正規雇用で行うべきものを、低賃金で解雇しやすい有期雇用労働者で賄う手法を抑制するための改正法の趣旨に反するものであり、無期雇用に転換したくないとして、就業規則に5年上限を盛り込む企業や事業所も出てきているという。
労働経済白書では、非正規雇用の増大が貧困と格差を拡大し消費低迷の要因にもなったことが指摘され、今後、より多くの有期契約労働者が無期労働契約の雇用に移行していくことへの期待が述べられているが、改正法の無期転換ルールを逆用した雇い止めが常態化することになれば、雇用不安が増大し経済悪化が深刻になることが懸念される。
よって、国におかれては、労働者が安心して働き続けられる社会を構築するため、有期契約労働者の「5年雇い止め」等の現状について調査するとともに、改正労働契約法の趣旨徹底に向けた対策を早急に講じられるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99 条の規定により意見書を提出する。
平成25年12月13日
参議院議長
内閣総理大臣 様
兵庫県議会議長 石 堂 則 本