二十年ぶりの京セラ株主総会だった。
かつては京都・山科の手狭な本社の二階だか三階で、それでも空席がたくさんありせいぜい一〇〇~二〇〇人くらいの参加で、総会屋と思しき声のでかい掛け声要員・拍手要員がいた。それが今回はどこの会社もそうらしいが、そういううさんくさいのは一掃され、年金生活者とおぼしき方々が八~九割で、伏見区の京セラ本社百メータービルの二〇階のホールは満席となり、三~四〇〇人くらいの参加だったろうか。
私は、挙手をして「会社事業計画・方針への質問と意見」の二点を述べた。京セラから複数役員を派遣していて、稲盛和夫名誉会長が当時会長をし、今も名誉会長をしているJAL・日本航空の二〇一〇年大晦日に行われたベテランパイロットと客室乗務員一六五人の解雇・首切り問題である。
今、JALでは「京セラフィロソフィー」ならぬ「JALフィロソフィー」がパイロットに配られ、二十万円のジェット燃料費を浮かすため、台風の雲を突っ切ったり、「利益なくして安全なし」と稲盛和夫氏に心酔していると言われる植木社長は「安全などと言うことは、京セラのように内部留保金が一億円を越してから言え」などいう、深刻な事態となりJALの安全が危惧される事態が続いている。
そのためにもこの解雇問題の早期解決が京セラ事業のためにも必要だと思うが見解を示してほしい、と述べた(原発と自然再生エネルギー問題についても発言)。
稲盛和夫名誉会長の答弁は、
①JALの解雇は裁判所が決めたことで、私が決めたことではない。再建に当たって必要なことをすべて裁判所が決めてやった。
②安全無視などして航空会社の運営ができるはずがない。そんなことをやったら会社がもたない。
……というものであった。
(稲村守事務局次長)