全労協/ 日韓清掃労働者が 草の根交流 / 全労協新聞 2014年8月号

全労協/ 日韓清掃労働者が 草の根交流 / 全労協新聞 2014年8月号

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▲非正規職・安全問題で意義ある日韓交流

●東京清掃労働組合

日韓清掃労働者が
草の根交流


東京清掃労働組合は、韓国の労働者と草の根の交流を続けている。

二〇〇九年から始まった交流は、お互いの国を交互に訪問し、第四次交流となった今回の交流は、六月二十四日から二十七日の日程で、韓国から環境美化員(清掃労働者)を中心に十五人の仲間を日本に迎えた。

実際の現場視察や体験を通じて安全衛生問題や人員確保や機材の改善、清掃作業に対する偏見との闘い、非正規職の正規雇用化問題と、多岐にわたる課題で実りある交流が継続されている。

新自由主義を基調とする政治潮流の中で、低賃金・無権利状態の非正規労働者の問題が社会問題化しているのは、韓国も同様である。

韓国は一九九七年の経済危機で国際通貨基金に救済を求めた。その際の融資条件として規制緩和、市場開放、労働市場の改革などを迫られた。以降、自治体では四割近くの整理解雇が進められ、不足人員を有期雇用、間接雇用労働者が埋めることとなった。非正規職の割合は、最も高い時(二〇〇〇年頃)で五五%以上の高率を占めるまでになった。

現在、ソウル市では公務部門の非正規職の正規雇用化が段階的に進められ、その多くが環境美化員である。それだけ劣悪な職場環境に置かれているということであろう。

現在、第二次計画が進められているが、最終的に七千人以上が正規雇用化される予定である。

六月に再選されたパクウォンスン市長主導で進められる正規雇用化計画だが、事務局を担い運動を牽引しているのは労働組合である。

労働界挙げての取り組みがあるからこそ、非正規職対策が政治の争点となり、大きな成果を勝ち取れている。われわれはその勇気に敬意を表し、大いに学ばなければならないだろう。

現場体験では、日本の清掃車の性能の高さや保護具の品質の良さに感心していた。それらはわれわれの先輩たちが労使交渉を重ねて勝ち取ってきたものであることを忘れてはならない。

保護具を持ち帰って当局に示し、「日本ではこんな良い保護具を使っている」と当局に迫るのだと盛り上がっていた。言葉が通じないもどかしさはありながらも夜は酒を酌み交わし、お互いの奮闘を称え合い、笑い合った。

グローバル資本主義に対抗する草の根の労働者同士の交流が大きな意義を持つことを実感した第四次日韓労働者交流であった。

(染裕之書記長)