最低賃金14-57 「兵庫労働局行政運営方針」 最低賃金の扱い

最低賃金14-57 「兵庫労働局行政運営方針」 最低賃金の扱い

ア)昨年の意見書
イ)兵庫労働局行政運営方針における最低賃金の扱い(H23~H26)
ウ)埼玉の場合


ア)昨年の意見書


2.兵庫労働局における最低賃金問題の後退に対して、最低賃金審議会からの積極的な働きかけを

① 行政運営方針における後退 最重点課題から抜ける

 「平成24年度 兵庫労働局行政運営方針」では、最低賃金問題について「平成24年度兵庫労働行政の最重要目標とその取組」の項の「労働者が安心して働くことのできる労働環境の実現をめざす」の中で「最低賃金の履行確保」の項が設けられていました(4頁~5頁)。【資料1】
 ところが、「平成25年度 兵庫労働局行政運営方針」の同じ項に当たる「平成25年度兵庫労働行政運営の最重点課題」では、最低賃金問題に触れられていません。

 毎年ある「最低賃金制度の適切な運営」の項は、2012年度(平成24年度)は、3項目挙げられていましたが、2013年度(平成25年度)は2項目になっています。削除されたのは「イ 最低賃金違反のおそれがある地域、業種等における遵守の徹底」。この項が「ア 最低賃金額の周知徹底等」に集約されたのかも知れませんが。
 また「最低賃金の引上げに向けた中小企業への支援策」の項では、「相談センター」1箇所が残り、「相談コーナー」2箇所が無くなりました。(かつて全国167箇所、現在全国47箇所。兵庫県下は昨年の案内では計3箇所が今年は1箇所に。)
 いずれにせよ、この項の記述は、2012年度(平成24年度)は15行だったのが、2013年度(平成25年度)は11行に減っています。「賃金の低廉な労働者」にとって最低賃金問題が重要な位置を占めている状況は変わっておらず、行数の減少が、取り組みの弱化になっては困ります。【資料2】





イ)兵庫労働局行政運営方針における最低賃金の扱い(H23~H26)

平成26年度 兵庫労働局行政運営方針

(2)最低賃金制度の適切な運営

最低賃金額の周知徹底等
経済動向及び地域の実情などを踏まえつつ、兵庫地方最低賃金審議会の円滑な運営を図る。
また、最低賃金の改定等については、労使団体及び地方公共団体の協力を得て、使用者及び労働者に周知し、遵守の徹底を図るとともに、履行確保上問題があると考えられる地域、業種等を重点とした監督指導等を行う。

最低賃金の引上げに向けた中小企業への支援の実施
賃金引上げに取り組む中小企業の経営面と労働面の相談等にワンストップで対応する相談センターを神戸市に設置し、巡回啓発・専門家派遣等支援事業を実施する。
また、事業所内の最も低い賃金額を800円以上に引き上げることを目指す中小企業が、設備導入等により賃金引上げを行った場合の助成を実施する。

▲新規の助成、2行追加。計13行。
その他も、何故かチョコチョコ書き換え。

「履行確保上問題があると考えられる地域、業種等を重点とした監督指導等を行う。」
とあるが、その結果がどこに示されているのか分からない。
(埼玉との比較)

2014年06月26日(ホームページ上には日付が入っていないので困る)
▲ここには、最低賃金違反が上がっていないので、件数が少ないのかもしれないが?
埼玉が悪くて、他県の事業所が良く守っている…ということは考えにくいのだが?
▲このプレス発表が新聞に掲載されたかは?



平成25年度 兵庫労働局行政運営方針

(3)最低賃金制度の適切な運営

最低賃金額の周知徹底等
兵庫地方最低賃金審議会の円滑な運営を図る。
また、最低賃金額が改定されたときは、改定額を県下の使用者団体、労働団体地方公共団体等を通じ、使用者及び労働者に周知し、遵守の徹底を図るとともに、履行確保上問題があると考えられる地域、業種等を重点とした監督指導等を行う。

最低賃金の引上げに向けた中小企業への支援策
賃金引上げに取り組む中小企業の経営面と労働面の相談をワンストップで提供する相談センターを神戸市に設置し、相談に対応する。




平成24年度 兵庫労働局行政運営方針

2 労働者が安心して働くことのできる職場環境の実現をめざす
(1)一般労働条件の確保・改善と労働関係法令の履行確保
最低賃金の履行確保
最低賃金制度については、セーフティネットとして一層適切に機能することが求められている。毎年改定される最低賃金額について局署一体となり広く県民等にその周知徹底を図るとともに、その履行を確保する。また、最低賃金の引上げに向けた中小企業への支援事業を実施する。

(2)最低賃金制度の適切な運営

最低賃金額の周知徹底等
兵庫県最低賃金及び特定最低賃金については、兵庫地方最低賃金審議会を円滑に運営し、改定する。
また、最低賃金額が改定されたときは、改定額を県下の使用者団体、労働団体兵庫県及び県下各市町の自治体等を通じ、広く県民に周知し、遵守の徹底を図る。

最低賃金違反のおそれがある地域、業種等における遵守の徹底
平成23年度の最低賃金の履行確保を主眼とする監督指導の結果、約8%の事業場に最低賃金にかかる違反が認められたことから、引き続き、賃金水準の低い地域、業種等を重点とした監督指導等を集中的に行う。

最低賃金の引上げに向けた中小企業への支援策
賃金の引上げのためには、経営面での工夫や就業規則の改定など賃金制度の見直し が必要となることから、経営面と労働面の相談をワンストップで提供する相談センターを神戸市に、相談コーナーを姫路市及び豊岡市に設置し、中小企業に対する相談支援事業を実施する。




平成23年度 兵庫労働局行政運営方針

2 労働者が安全に、安心して働くことのできる職場環境の実現をめざす
(2)労働条件の確保・改善と労働関係法令の履行確保
最低賃金の履行確保
最低賃金制度については、セーフティネットとして一層適切に機能することが求められている。毎年改正される最低賃金額について局署一体となり広く県民等にその周知徹底を図るとともに、その履行を確保する。また、最低賃金の引き上げに向けた中小企業への支援体制を整備する。

(2)最低賃金制度の適切な運営

最低賃金額の周知徹底等
兵庫県最低賃金及び特定最低賃金については、兵庫地方最低賃金審議会を円滑に運営し、決定する。
また、最低賃金額が改定されたときは、改定額を県下の使用者団体、労働団体、兵庫県及び県下各市町の各自治体等を通じ、広く県民に周知し、遵守の徹底を図る。

最低賃金違反のおそれがある地域、業種等における遵守の徹底
平成22年度の最低賃金の履行確保を主眼とする監督指導の結果、約10パーセントの事業場に最低賃金にかかる違反が認められたことから、引き続き、賃金水準の低い地域、業種等を重点とした監督指導等を行う。

最低賃金の減額特例許可制度の適正な運用
最低賃金の減額特例許可制度については、減額対象労働者が不当な低賃金で働くことのないよう厳正に取り扱う。署に相談がなされた場合は制度について懇切丁寧な説明を行い、減額特例の申請に際しては局と密接な連携のもと適切な処理を行う。

最低賃金の引上げに向けた中小企業への支援策
賃金の引上げのためには、経営面での工夫や就業規則の改定など賃金制度の見直し が必要となることから、経営面と労働面の相談をワンストップで提供する相談センターを神戸市に、相談コーナーを姫路市及び豊岡市に設置し中小企業に対する支援 体制の整備を図る。


ウ)埼玉の場合

埼玉は、最低賃金の履行確保に係る監督指導を行い、結果を公表している。



埼玉の「平成26年度労働行政運営方針」は、86頁。

埼玉の最低賃金の項は、
8頁の下から、11頁の下の方まで。約3頁を最低賃金に割いている。


同じ労働局でも全く違う。


(神戸)