第42回 ひょうご労働法律セミナー
そもそも「賃金」って…?
〈解説と問題提起〉
幸長 裕美 先生(弁護士・当センター運営委員)
大阪労働者弁護団所属の弁護士で、兵庫でも、本四海峡バス闘争などの争議を引き受けてもらっています。これまでに行った法律セミナーでも、労働関係法について分かりやすい解説を行っていただきました。今回は、幸長先生から、私たちにとって身近な、でも知らないことも多い「賃金」について解説していただきます。
私たち労働者は、労働力を売り、その対価として賃金を受け取って生活しています。これは当たり前のように行われていることですが、賃金の扱いが法律でどのように決まっているのかについては、知らないことが多いのではないでしょうか。
例えば、皆さんの賃金からは、いわゆる「天引き」でさまざまなお金が引き落とされていると思います。
当たり前のように行われている「天引き」ですが、なんでも天引きすることは可能なのでしょうか?
労働相談では、「事故を起こしてしまい、損害分について弁償することを求められている。その分、毎月賃金から弁償金を引かれている」といった相談が少なくありません。実際に、仕事をしているうえでの損害を労働者に求める会社はあるようですが、こうした「弁償」や「罰金」は認められているのでしょうか?
また、「会社が新しい給料体系を導入することを決定した。この制度では、ごく一部の人しか賃金が上がらず、私も賃金が下がってしまう」など、一方的な賃金減額についての相談も寄せられます。
今回は、このような賃金に関する具体的な事例の報告を受けながら、法律では賃金についてどのような決まりごとかあるのか、解説を受けながら学び合っていきます。
ひょうご労働法律センター