わが組合の脱原発(全国一般東京南部)  全労協新聞 2012年10月号 3面

わが組合の脱原発(全国一般東京南部)  全労協新聞 2012年10月号 3面


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原子力規制委発足に抗議(9月19日
 


●わが組合の脱原発(全国一般東京南部)
広がる放射能被害・被曝労働
職場から安全問題に取り組む
 
 
 「フクシマ」原発災害は、被災の救援、復興、災害根絶のすべての点で何の解決策もないまま、政府、経団連などによる原発再稼動、原発エネルギー政策の再構築への巻き返しが進んでいる。一方、脱原発への大衆の動きも十七万人集会の成功、毎週金曜日の万余の人々の首相官邸包囲行動など静かに深みと広がりを続けている。全国一般南部も、脱原発社会の構築への取り組みをおこなってきた。不十分ながらの取り組みに触れたい。

 原発被災の現実に触れ認識を深める「現地激励行動」「原発災害学習会」に取り組んだ。原発災害の事実がひた隠しされていた大震災直後を皮切りに、救援・生活物資・カンパを運び現地激励団を派遣、福島現地の生活不安の深刻さを学んだ。その後、福島現地の全国一般福島連帯ユニオンとの交流をとともに、被災・被曝労働・生活状況など「原発とエネルギー政策の転換」「原発とTPP問題」「被曝労働」「原発被害と市民生活」の組合員学習会を実施して職場組合員の参加・教宣に努めている。さらに共闘団体と共に学習決起集会にも取り組み、教宣学習会はこれまで八回、息長く続けられている。

 こうした取り組みに合わせ、脱原発社会の実現、東電・政府の責任追及等の社会的行動・集会デモの取り組みは原発被災以降今日まで、計十三回、多くの組合員の参加を実現してきた。11春闘集会とメーデー、12春闘メーデーには全国一般南部統一行動の一環として全国一般東京三労組と共同で、東京電力本社への抗議申し入れ行動を闘った。浜岡現地集会、福島現地集会にも久しぶりに多くの組合員の参加をえることができた。今後とも、こうした取り組みには積極的に組合員の参加を実現していきたい。

 労働安全問題、被曝・生活問題についての職場の取り組みもおこなわれた。福島原発放射能被害が広がる中、福島からの食肉用生体の搬入が問題となった。食肉加工の産業に働く労働現場では、現場の被曝防止の安全対策の徹底を当局に求め実施させた。同時に福島現地の生産者を支え食肉の安全性流通性を確保するために、搬入生体の全頭検査を実施することを当局に強く求め実施を実現した。また、高速道路の維持運営に従事する労働者は、発注元親会社と交渉し、放射性危険物対策を含む大震災時の安全確保マニュアルの作成を強く求めている。未だに、十分な安全対策マニュアルは実現できていないが引き続き交渉を強めている。原発に近い福島県内で働く外国人労働者組合員にも、健康・生活の不安が拡大し、避難等対処処置などの相談、行政相談などに取り組んでいる。
 依然として、放射能被害・被曝労働の危険性は広がっており労働・生活・社会全般への影響は大きい。今後とも取り組みを強めたい。


 
(F)