シルバー人材センター問題

シルバー人材センター問題
 
労働相談のケース保険の問題だけではない!!
 


保険不適用問題 1か月以内に救済策
9月28日 16時3分

K10053625011_1209281610_1209281616.mp4
シルバー人材センターの会員のお年寄りが作業中にけがをしても保険が適用されず全額自己負担になるケースが相次いでいる問題で、厚生労働省は、救済策を検討するためのプロジェクトチームの初会合を開き、1か月以内に結論を出すことになりました。
シルバー人材センターに登録している会員のお年寄りが、委託された作業中にけがをして医療機関を受診した際、健康保険も労災保険も適用されず、全額自己負担になるケースが相次いでいます。
このため、厚生労働省は、保険が適用されないお年寄りの救済策を検討するためのプロジェクトチームを設置し、28日は、健康保険を所管する保険局長や労災保険を所管する労働基準局長などが参加して初会合が開かれました。
会合では、西村厚生労働副大臣が「シルバー人材センターの会員を含め、働き方が多様化するなかで今回の問題はさまざまな場所で起こりうる。スピーディーな解決を図りたい」と述べ、早期に結論を出す方針を示しました。
プロジェクトチームではセンターの会員のほか、一部の請負労働者など保険が適用されない人たちの実態も調べたうえで1か月以内に救済策をまとめることにしています。


シルバー人材 保険適用求め提訴 (9月26日 20時45分)
保険不適用は不当 初の裁判へ (9月23日 19時24分)


 

厚労省:健保・労災の「谷間」救済を検討

毎日新聞 2012年09月25日 21時31分
 
 小宮山洋子厚生労働相は25日の記者会見で、企業の健康保険の被扶養者が請負労働でしたけがについて、健保と労災保険のどちらで救済するかを検討するプロジェクトチーム(PT)を近く設置する方針を明らかにした。仕事で負傷したシルバー人材センターの会員がどちらの適用も受けられず、医療費の全額負担を求められたケースが発覚したため。早ければ10月中にも結論を出す。
 厚労省によると09年11月、奈良県の高齢男性がシルバー人材センターで請け負った庭木の剪定(せんてい)作業中、足の指を骨折した。男性は企業で働く子の扶養に入って健保を利用。しかし、健保は被扶養者が仕事をしてけがをすることを想定しておらず、労災では請負が救済の対象外のため、男性は医療費をさかのぼって全額負担するよう求められたという。
 厚労省によると同様の「制度の谷間」としては、学生のインターンシップや障害者の福祉作業所におけるけがが挙げられる。PTは、どちらの保険で救済すべきかや、他の救済策などについて検討する。国民健康保険後期高齢者医療制度はこうした問題が生じない設計になっているという。
 全国シルバー人材センター事業協会の推計では、シルバー人材センター会員の健保被扶養者数は15万人程度とみられる。厚労省は制度の谷間にいる対象者数について、現時点で全体数は不明としている。【遠藤拓】
 


 

提訴:シルバー人材作業でけが、健保不支給 女性が取り消しなどを求め−−大阪地裁

毎日新聞 2012年09月27日 大阪朝刊
 シルバー人材センターで紹介された作業中のけがに対し、健康保険の療養費が給付されないのは不当として、奈良県内の女性(40)が、全国健康保険協会協会けんぽ)や国を相手に不支給決定の取り消しなどを求める訴えを大阪地裁に起こした。提訴は25日付。
 訴状によると、女性の父親(70)が09年、奈良県内のシルバー人材センターの紹介を受けて庭作業中、足の指の骨を折るなどのけがをした。男性は女性が加入する同協会の被扶養者だが、同協会は「業務上のけがに当たる」として療養費約85万円の全額負担を求めた。
 健康保険は業務外のけがなどが給付対象で、業務上のけがには通常、労災保険が適用される。しかし、シルバー人材センターと会員の間には雇用関係がないため労災保険は適用されない。女性は「父は健康維持や社会参加を目的に作業していた。業務ではない」と主張している。また、両保険の適用外となる人が生じる可能性があるのに立法措置を取らなかったとして、国には慰謝料など約80万円の支払いを求めている。
 小宮山洋子厚生労働相は25日の記者会見で、けがをした男性について「現行制度の縦割りの隙間(すきま)に落ちている」と指摘し、プロジェクトチームを設置して対応策を検討する意向を表明した。
 同協会は「訴状を見ていないのでコメントできない」、厚労省は「書面を見て判断したい」としている。【渋江千春】

 
(F)