全労協/ きょうとユニオン(ヤサカ交通労組) / 新聞 2018年10月号

全労協きょうとユニオン(ヤサカ交通労組) / 新聞 2018年10月号



全労協新聞
より


きょうとユニオン(ヤサカ交通労組)
打ち砕いた労組解体攻撃


ヤサカ交通労組は、全国で九社、京都で七社があるタクシー大手のヤサカグループ傘下のタクシー会社の労組であり、組合員は六十人ほどである。二〇一二年頃から第二組合結成や、本社やタクシー他社から役員や管理職が乗り込んでの管理部門の職員に対する、配置転換、パワハラ、苛めなどの攻撃が開始された。ヤサカ交通の管理部門の職員は大半が退職へと追い込まれた。営業職で唯一のきょうとユニオン組合員もメンタル不調に追い込まれ、休職を余儀なくされた。ヤサカ交通労組はユニオンショップ協定を締結していたが、第二組合結成によって組合員は過半数以下に激減した。二〇一五年末、ヤサカ交通労組は、反撃を開始すべくきょうとユニオンへの加盟を決断した。だが会社は二〇一六年末には組合員が起こした交通事故を「ひき逃げ事件」であるとでっち上げ、処分をおこなうとともに雇止めを強行した。

二〇一七年初頭からヤサカ交通労組ときょうとユニオンは全面的な反撃を開始した。十回の団体交渉をおこない、昨年十二月と、本年一月に、ユニオンネットワーク・京都の仲間の支援をうけながら五十数人を動員した二度の本社抗議行動によって、会社を追い詰めた。これらの闘いにより二組結成とヤサカ労組解体攻撃を行なっていたヤサカ本社役員は退任に追い込まれ、タクシー他社より導入されていた管理職も排除された。会社は「ひき逃げ事件」でっち上げや、第二組合を使った組合潰しについても、遺憾の意を表明せざるを得なかった。営業職の組合員は労災申請をおこなったが認定されず、再審査請求で七月には労災として認定された。

 二〇一二年以来、続いたヤサカ交通労組に対する労組解体攻撃は、昨年初頭からの一年半の闘いによって、打ち砕かれた。タクシー業界では白タク容認のライドシェアの導入、過剰車両、低賃金によるドライバーの高齢化などの問題を抱え、業界の将来不安が様々な形で指摘されている。ヤサカ交通労組はこれらの問題を見据えながら、ヤサカグループのタクシー各社の仲間と共に、運転手が人らしく働き、生活するために奮闘する決意を固めている。