メーデー宣言 (京都地域メーデー)

メーデー宣言 (京都地域メーデー

 

2021年5月1日、私たちは「働く者の団結で生活と権利、平和と民主主義を守ろう」をスローガンに、京都円山公園メーデー集会を開催した。

1886年5月1日、低賃金・長時間労働に苦しむアメリカの労働者が8時間労働制を求めて立ち上がった。「第1の8時間は仕事のために、第2の8時間は休息のために、そして残りの8時間は、好きなことのために」をスローガンに闘った。1890年5月1日、はじめて世界各国で国際メーデーが取り組まれた。以来5月1日は労働者が団結して権利を要求する労働者の祭典として闘われている。長年にわたる世界の労働者の血と汗の闘いで、8時間労働制をはじめとする労働者の諸権利を勝ち取ってきた。

しかし21世紀になっても、貧困と、労働者に対する権利侵害は無くなっていない。それどころか、労働者に対する搾取は近年ますます強まっている。

8時間労働制が勝ち取られても、長時間労働は無くなっていない。100年前とは比べ物にならないぐらい生産力は高まり、より少ない労働で社会を運営できるにもかかわらず、過労死・過労自殺は後を絶たない。

一方で、不安定・低賃金な雇用がますます増えている。今や日本の労働者の4割が非正規雇用だ。また、ウーバーのように、実際には雇用関係にありながら、個人事業主として扱い、労働者を使い捨てにする働き方が広まっている。雇用がさらに不安定なものにされようとしている。

強まる搾取の結果、一部の富裕層が富を独占する、格差社会化が進んだ。

新型コロナウイルスの感染拡大は格差の拡大を加速させている。補償無き自粛要請により、多くの労働者・市民が苦境に立たされている。非正規雇用労働者・外国人労働者に対する解雇・雇止め、若年層や女性の自殺者急増、自営業者・中小企業者の廃業など、弱い立場の人々が犠牲を押し付けられている。

不平等が横行し、生存さえ脅かされる、こんな社会はもうこりごりだ。労働者・市民は社会を変えるために今こそ団結して声をあげよう。

労働者・市民が団結することを妨げるのは、支配階級による差別と分断だ。雇用形態の違い、性自認性的指向、国籍、人種、民族、門地、障がいの有無などにより、差別が煽られ、労働者・市民が分断されている。マイノリティーへの差別を許さず、分断を乗り越え、誰もが生きやすい職場・社会をつくろう。

また、闘う労働組合に対して、国策弾圧が進められている。連帯ユニオン関西地区生コン支部に対して、まっとうな労働運動を刑事事件にでっち上げる国家による組合つぶしの不当労働行為が行われている。差別の横行と労働組合の破壊は、いつか来た戦争への道だ。民主主義を破壊し、監視強化を強め、戦争政策を進める菅政権を労働者・市民の闘いで打倒しよう。

コロナ禍の緊急事態で、現場で働く労働者たちの仕事の大切さが再認識された。労働者には社会を動かす力がある。団結した労働者の闘いには社会を変える力がある。万国の労働者、団結せよ!

2021年5月1日 京都地域メーデー参加者一同

 

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