労働組合に自己改革は可能か? / 全労協新聞 2021年2月号

労働組合自己改革は可能か? 全労協新聞 2021年2月号

 


 

労働組合
自己改革は可能か?


福祉・介護・医療労働者組合(大阪)


島本 有紀子(仮名)

 

 前もって断っておかなけれぱならないが、私は学歴もなく、つまり正統な素養というものがない。労働組合活動に関しても、職場でのトラブルをきっかけに二〇一九年秋に知ったくらいで、今もってどのような歴史があり、積み重ねがあり、何とどう関係して、現在それぞれどのような活動をされているのかすら、ほとんど把握していない。

 だからいっちょかみ的な(大阪弁?)知識では、右翼思想といえば、本人の責任ではなく不利な立場に置かれていても「世の中そんなもんだよ」と切り捨て、左翼思想といえば、自分の正しさを信仰するあまり、内部ゲバルトを起こす、という間違っているのかわからないようなイメージしか持ち合わせていないし、思想が労働組合と関係しているような感じはするが、よく知らない。

 私は総合病院に勤める看護師で、上司から長期にわたって完全無視され業務は滞り、黙って役割を外されたり、ストレスで耳の疾患を発症したと知り、インカムの必要な仕事を指示されるなどの行為があり、精神的に行き詰まって休職になった。休職したときはコロナが来るなんて知る由もなかったが、あのまま勤務していたらここぞとばかりに使われ、感染しようものなら対策を遵守していなかったんだろうと自己責任にでもされていたかもしれない。

 こんなのは『よくある話』だ。精神的に辛くて、精神科に行っても、労働局に行っても、労働弁護士に行っても、人権団体やNPOに行ってもさんざん言われた。

 そのとき、伸ばした手を掴んで荒海から引き揚げてくれたのか今の労働組合だった。いじめや差別がなくなるのかと聞かれれば、それは無くならない。でも、誰かが全力で助けようとしてくれれば、ときには命まで救うことができる。

 労働組合は素瞬らしい制度だ。法律的にもこれによって助けられた部分は大きい。しかし、私然りパンピー一般ピープル)にはほとんど届いていない。この、ほとんど届いていないことでしれっと法律はなくなり、活動は衰退していくのではと恐れている。

 この文章もどれくらいの人に読まれることだろう?印刷物が山のように捨てられていくことに最初は衝撃を受けたが、それも慣れれぱ急速に「何もかもはできないしネ」と当たりまえになっていくことだろう。それを怖がるべきなのか?しかし私だって、真正面から『お前のここか欠点だから今すぐ直せ』と言われたら傷つく。どうすれば同じように苦しむ人を助けることができるのか。私に正確な知識と情報を教えてほしい。私も自分が資源として役に立てることを望んでいる。
(この記事に関する疑問、意見などこざいましたらぜひご達絡ください)

 

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