全労働者組合 仲間の連帯を! / 全労協新聞 2020年8月号

全労働者組合 仲間の連帯を! / 全労協新聞 2020年8月号

 


コロナ禍に地域・職場で奮闘する全国の仲間たち 


 

全国一般・全労働者組合


今こそ組合の団結と
仲間の連帯を!


 「この会社(職場)って辛い仕事もみんなが平等にやっていますね」。硬い表情からいつしか笑顔で話すようになっていた二月から入社した新人くんと助手席で話をしていたのもつかの間、三月初句に彼が熱を出した。

 二月二十八日、会社は団交の中で前日発表したコロナ予防対策として「三七・五℃以上の場合」として出勤を見送るよう休みとなった。休暇期間中は十割の公休扱い、品薄だったマスクの支給も実現している。同時に組合はあくまでもコロナ感染者が出たとしても、全力で仲間をまもり、惜しみない協力体制を築き全体で支える事も確認した。


 新聞輸送の危機対応が迅速であり際立っているのは、東日本大震災や昨年の台風などの労使協議を重ねてきたからである。労働者の命が危ぶまれる状態化で、現場から声を上げ親会社の対応について問いただす姿勢を持つことで危機を乗り越えてきた。これは他業者からも「新聞輸送さんはよく言ってくれた」と会社の気風として評価の対象となっている。

 四月八日から点呼は室内からトラックヤードで間隔をあけて行うよう指示がある。新聞社への入室制限や検温、記録などより一段と厳しくなり、新聞が刷り出されるまで車内待機となる。また、四月十日、コロナ対策の一環として職場仮眠室の消毒をかねた清掃を社長はじめ仲間が協力し合いながら行った。

 新聞輪送分会は、会社と社会情勢をとりまく中、4・17新聞輸送社前集会も延期やむなしとなった。しかし、恒例の集会や闘争の延期で、職場全体が企業内に龍る雰囲気となり、どことなくピリビリと張りつめた感じがした。

 感染リスクを無くすのであれば、国ごと、会社ごと生活保障を行い、全員がキッチリ休む措置と合意を取り付け進まねばならないが、危機管理だけが先行し、人びとが強い者への判断と取り締まりをゆだねる自治の形骸化、民主主義の危機があらわになった。

 コロナ感染のリスクから仲間のいのちを守ることが同時に仲間の分断を生み出すような危険な矛盾を抱えてのではないか。

 そんな自粛ムードに中で久しぷりに執行委員会に出席した仲間は「職場では会社の話ばかり。会議でみんなの顔を見られてホッとした」と発言していた。日常のささやかな付き合いそのものが感染する不安からくるギスギスした雰囲気に投げ込まれ、何気ない会話やささやかなふれあいさえもが奪われていたのだ。コロナ禍で労働組合は仲間とともに何を守るのかか問われている。

(「全労新聞6月号より」)

 

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