大阪教育合同労組 未払い残業代闘って支払いへ / 全労協新聞 2020年7月号

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未払い残業代闘って支払いへ / 全労協新聞 2020年7月号

 


 

大阪教育合同労組

未払い残業代闘って支払いへ

 

五月二十七日、第一ゼミナールやファロス個別指導学院、第一学院高等学校などを運営する「株式会社ウィザス」は、労働基準法に定められた労働時間を超えているにもかかわらず残業手当を認めないのは不当だとして労働基準監督署に救済を求めていた組合員に対し、労働基準監督署の是正指示により未払い残業が存在することを認め、二〇一七年十月から二〇一九年九月までの未払い残業代を支払いました。

 

しかし、それは平坦な道のりではありませんでした。集団指導第一ゼミナール、ファロス個別指導学院では、年間休日が法定基準ギリギリの一〇五日しかなく、必然的に七日連続、十日以上連続の勤務が恒常的に発生していました。しかしウィザスは、「会社が定めた『公休日』以外は勤務日であり未払い賃金は存在しない」と主張、二〇一九年春より組合が指摘してきた未払い残業代の存在を否定してきました。今年に入り、労働基準監督署からの是正勧告に従い未払い残業代を支払うとし、五月にようやく支払いが行われたのです。ウィザスは、支払い直前に「合意書」を組合員に結ぶように要求、未払い残業代について他の社員には口外しないよう求めました。これに対し労働基準監督署は、未払い残業代は労働に対する正当な報酬であるため「合意書」は必要ないとして、これまでの電話対応から踏み込み、同五月、ウィザス本社に赴き早急に支払うように求めました。

 

なお、二〇二〇年六月現在でも、第一ゼミナール、ファロス個別指導学院では年間休日一〇五日を変更せず、そのため未払い残業代が発生し続けています。また、組合や労働基準監督署から指摘を受けても、本来支払うべき残業代の存在を社員に知らせることさえしていません。さらに、昨年春「社員に知らせることなく、幹部社員を労働者代表にして勝手に労働基準監督署に三六協定を提出していたこと」も社員には説明せず今日に至っています。「訴えがない限り、法律違反でも是正はしない」という姿勢には組合内外からも疑問の声が上がっています。

(ウィザス支部代表蓑田智洋)