7月20日 兵庫地方最低賃金審議会に意見書提出

7月20日 

兵庫地方最低賃金審議会に意見書提出

 

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▲兵庫労働局前

 

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1.兵庫県最低賃金を、「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営む」ことができる賃金、「労働者の生活の安定、労働力の質的向上」に値する最低賃金に引き上げること。
そのために、時間給1500円を目指し、1200円以上にすること。

 

2.時間給を1200円以上にするために、必要と思われる政策についての建議を行うこと。

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◆意見書の目次

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はじめに

(1)引き上げ額の議論の前に 

1.審議委員の皆さんには、最低賃金を意識して生活をしていただいたでしょうか?
  ~審議にあたっての視点~
2.深刻な兵庫県の人口流出問題に対する対策として、最低賃金の大幅引き上げを
  若者の流出が大きな問題
3.兵庫の経営側は、最低賃金の引き上げにどのような準備をしているのか、わかりません
4.最低賃金の広報の強化と、最低賃金未満の求人・雇用に対する取り組みの強化を
  ① ホームページ・記者発表などを活用した積極的な広報を
    ⅰ)ホームページへの審議会の「議事録・資料」の掲載について
    ⅱ)最低賃金の多言語での案内の継続を
  ② 「最低賃金キャッチフレーズを募集します!」の取り組みを評価します
  ③ 最低賃金ポスターデザインコンテストの実施の検討を
  ④ 中小企業への支援策の具体的な提示、グッド・プラクティスの事例提示を
  ⑤ 最低賃金未満の求人・雇用に対する取り組みの強化を
5.諮問・意見聴取・答申の発表などの機会に最低賃金についての広報の強化を
  ① 意見聴取期間について
  ② 今年も諮問・意見聴取が、ニュースで取り上げられていません
    「記者発表資料」の作成・掲載を
  ③ 答申の際の記者発表・ホームページ掲載資料について
  ④ 答申発表時、建議をきちんと取り上げるよう要請を
  ⑤ 答申発表時、異議申出についての説明を
6.国連・社会権規約委員会が、「最低賃金…上昇する生活費に満たない」と懸念を表明
  ① 指摘の内容
  ② 「労働者及びその家族」という観点の必要性
  ③ 3要素の見直し、「通常の事業の賃金支払能力」の削除の要請
  ④ 日本政府の意見(2015年3月)は全く回答になっていません
7.最低賃金法改正の意義を考慮した最低賃金の大幅引き上げを
  ~審議会の「生活保護基準」の見直しを・労働局は資料の提供を~
  ① 「生活保護基準」の見直しを求める意見
    ⅰ)労働側委員の主張要旨
    ⅱ)日弁連の主張
    ⅲ)国連・社会権規約委員会の見解
  ② 労働局は、法改正を踏まえた資料作成を。審議委員は資料作成の要請を。


(2)額の議論にあたって 

1.兵庫の最低賃金を、1200円以上への引き上げを
  ① 最低賃金1500円を求める声の拡大
  ② 兵庫県のパートの募集賃金は1000円を超えています
  ③ 現在の1000円未満の最低賃金は低すぎ、ワーキングプアを脱することができません
  ④ 国際的に見て日本の最低賃金は低すぎ。先進国では1100円以上。
    全国最低1000円以上を。
  ⑤ 生活保護との逆転現象解消には、少なくとも1000円以上への引き上げが必要
  ⑥ 全国加重平均を上回る最低賃金に。大阪(964円)との差(65円)をなくせ。

(3)建議のために 

1.時間給1200円以上を出すための政策の議論と建議を
  ① 兵庫県下での先駆的取り組みの経験を生かして政策の議論を
  ② 兵庫県議会の意見書を踏まえて議論を
  ③ 国連・社会権規約委員会の勧告などを踏まえて、
    生活保護との比較方法の変更、最低賃金法の改正を
  ④ ILO条約第94号(公契約における労働条項に関する条約)の批准を
  ⑤ ILO条約第175号(パートタイム労働に関する条約)の批准を
  ⑥ 地方議会の意見書、各地方審議会の建議
2.全国一律最低賃金制度 ~最低賃金を1000円以上とする法制度整備を~

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◆「現在の1000円未満の最低賃金は低すぎ、ワーキングプアを脱することができません」から


 仮に1000円まで引き上げたとして、週40時間フルに働いてやっと額面がワーキングプアと呼ばれる年収200万円を超える計算になります。月平均150時間であれば、年180万円であり、200万円に届きません。この収入から、家賃、食費、医療費、親の介護費、子どもの教育費等を支出した場合、「労働者の生活の安定」は望めません。

 「労働者の生活の安定」のためには、大幅な最低賃金の引き上げ、少なくとも1200円への引き上げが必要です(1200円の月150時間で、年収200万円を少し超えます)。

 結婚の壁といわれる300万円(2011年5月内閣府「結婚・家族形成に関する調査」で「男性は、正規雇用のほうが結婚しやすく、年収300 万円が結婚の分岐点」)を超えるには、時給1500円でも足りません(1500円×150時間×12か月で、270万円)。

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◆ 資料

*資料1 『最低賃金 政権慎重モード 「大幅上げより雇用」に識者ら疑問の声』
     (産経新聞 2020年6月29日)

                   23

*資料2 「コロナ下の最低賃金 安易に抑制してはならぬ」
     (毎日新聞社説 2020年7月14日)

                 24

*資料3 「低賃金労働者の生活を支え、地域経済を活性化させるために最低賃金額の引上げと
     中小企業支援強化並びに全国一律最低賃金制度の実施を求める会長声明」
     (日本弁護士連合会 2020年6月3日)

             25-26

*資料4 「最低賃金大幅引き上げキャンペーン」のチラシ

           27-28

*資料5 「諮問を報じる各地の報道の例」

                  29-30

*資料6 「最低賃金制度の運用に関する意見書」
     (日本弁護士連合会 2011年6月16日)

            31-38

*資料7 「神戸市における生活保護との比較」(2018年7月作成)

        39

*資料8 「最低賃金改正等に関する意見書」
     (岩手県議会 2020年3月24日)

               40-41

*資料9 「全国一律最低賃金制度の実施を求める意見書」
     (日本弁護士連合会 2020年2月20日)

            42-48

  

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