全労協/ 20けんり春闘発足に向けて / 新聞 2019年11月号

全労協20けんり春闘発足に向けて / 新聞 2019年11月号

 

 

●20けんり春闘発足に向けて


労働者市民が安心して
働くことができる社会ヘ
労働組合が力を発揮しよう


 20けんり春闘が出発する。十月から労働者市民の反対の声を押し切って消費税は一〇%に引き上げられた。労働者の実質賃金はこの間、連続して低下を続けていることも明らかとなっている。おりしもOECDの発表によると二〇一八年度の賃金は一九九七年に比して八・二%も低下していることがことが明らかとなっている。OECDに参加する先進国では唯一賃金が下がったのが日本である。そして労働者の非正規化は確実に進んでいる。人手不足とされ、有効求人倍率は丁六倍を超えているものの、その多くは非正規労働者の需要が基本であり、すでに民間給与実態調査では2100万人を超えて全労働者の三八%になろうとしている。正規労働者で五、〇二五千円、非正規労働者の平均賃金は一、七九〇千円で、非正規で女性労働者の場合は一、五四一千円に過ぎない。とても生活できる置金とは言えないのである。

 一方、財務省の二〇一八年度法人企業続計によると企業の内部留保は四六三兆円を超え、前年比三・七%増となっている。これは七年連続して過去最高を記録しているのである。そして今年の三月期決算で一億円以上の報酬を得ている企業経営者は五七〇人にのぼり、三年連続して増加しているのである。


賃金引上げこそ
喫緊の課題!


 この労働者の賃金と企業、企業経営者の利潤の伸び率は完全に反比例して、企業が栄えて労働者が疲弊する様子を明確にしている。こうした労働者の現状を見ると憲法が生活を保障し、労働基準法が監視する「八時間働けば暮らしていける社会」とは到底言えない現状がある。進む貧困と格差が日本社会を蝕み、若者に未来への希望を提示することのできない社会になろうとしているのである。

 

 こうした現状にストップをかけ、労働者市民が安心して働くことができる社会を作るためにこそ労働組合は力を発揮しなければならない。私たちは多くの仲間とけんり春闘全国実行委員会を作り、すベての職場にスト権を確立し、経営の不誠実な対応には果敢にストライキを実施して闘い抜いてきた。職場で議論を深め、地域で共闘を広げ、市民運動とも連携を強めて闘い抜こう。大幅賃上げの実現で生活向上、非正規労働者の権利確立に向けて20春闘に勝利しよう。十一月二十九日には20けんり春闘実行委員会の発足集会が開催される。官民労働者の共闘を柱に団結と連帯を強固にして闘おう。