全労協/ 中央最賃の目安を上回る地方最賃ヘ / 新聞 2019年9月号

全労協中央最賃の目安を上回る地方最賃ヘ / 新聞 2019年9月号

 

 

 

電気通信産業労組

中央最賃の目安を上回る地方最賃ヘ


 中央最低賃金審議会は七月三十一日、今年度の地域別最低賃金の改定について全国平均の時給を二七円引き上げ、九〇一円とする「目安」を決め厚労大臣に答申しました。

 今後、各地の地方賃金審議会での審議で目安通りなら東京と神奈川は一〇〇〇円を超えますが、東京とDランクの鹿児島との格差は二二六円と地域間格差はさらに拡大します。

 政府の骨太方針で一〇〇〇円を目指すとしながら経営側の「企業(中小零細)の存続が脅かされ雇用に重大な影響が出る」主張の中で意見一致が出来ず、人手不足や消費税増税を控え前年を上回る水準での公益委員見解で決着しました。引き上げ額の問題も有りますが、A~Dとの地域間格差是正も、改善されず問題です。

 一七都道府県の二万人以上を調査した静岡県立大によれば「最低生活費」は都心部と殆ど変わらない、地方では家賃が安いが生活に必須な車の維持、買替え経費が掛かる。更に東京都東村山市と隣接の埼玉県所沢市では県違いだけで時給が八七円も低く首都圏部でも人員が東京都に集中し地元では「生活費が変わらないのに不公平」と言われています。

 雇用人口が増えているのはAランクと福岡だけで地方からの人口流出は止まりません。

 地方の非正規労働者は、都心部より二、三割長く働かなければ生活できないとも言われており外国人労働者問題も含め「貧困と格差」は益々拡大します。

 最賃は中小零細企業も直撃されており国の救済策が不可欠で、社会保険料の減免や最賃引上げに対する補助金制度、訓練への賃金補助や設備投資への減税措置、重層的な下請構造に対し取引企業の「買いたたき、下請代金の減額」に対する厳格な法規制と輸出払い戻し消費税の還元、自治体での公契約条例の制定、コンビニ業界のフランチャイズ契約のロイヤリティ収入の制限などを政府と大企業に求めていかなければなりません。

 私たちは「最賃を今すぐ一〇〇〇円、早期に一五〇〇円に」と最賃引上げ運動を取り組んできましたか一〇〇〇円でも年間二〇〇〇時間働いても年収二〇〇万円でワーキングプアぎりぎりです。今年度最賃の適用は、十月で消費税増税と一緒で、現在のままでは働く人を直撃します。

 地方審議会での審議で「目安」を上回る決定が出されるよう「最賃引上げキャンペーン」を継続し、全国一律の最賃大幅引き上げを求めていきます。

 

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