全労協/ 上智大学は解雇 ハラスメントをやめろ  / 新聞 2019年8月号

全労協上智大学は解雇 ハラスメントをやめろ  / 新聞 2019年8月号


 

●全国一般全国協 東京南部


上智大学は解雇

ハラスメントをやめろ


 上智大学は、国際教養学部のクッキ・チュー先生に対し、七月七日事実上の解雇通知を行いました。チュー先生は「チュー先生の業績ならすぐに助教から准教授から終身在職権(テニュア)を得るから」と上智大学に請われて、五年前にアメリカの大学から助教として赴任しました。雇用主である学校法人上智学院との雇用契約は、雇用契約
の「覚書」により、五年間に準教授に昇進することを条件されていました。

 

 ところが、この間昇進審査をめぐるアカデミック且つパワー・ハラスメントによって、チュー先生の昇進審査は四回にわたり、正当に評価され適正な審査が行われてきませんでした。チュー先生は大学のハラスメント対策委員会にハラスメントを訴えてきましたが、対策委員会は証拠の録音等を聞くことなく、「ハラスメントに該当しないと判
断する」という調査結果を出しました。上智大学は、チュー先生が准教授に昇進されなかったことをもって「覚書」の内容により、九月二十日付の解雇を通知したのです。

 

 チュー先生は、これまで四回の昇進審査を国際教養学部に提出しました。とりわけ、二〇一七年十一月末には審査委員会と人事委員会で昇進推薦が決定され、学部教授会が匿名投票で承認し、常務会に回りました。ところが、冬休み後に審査委員会が常務会に対し推薦を撤回し、その後の昇進プロセスが取り消されるという事態になりました。その理由について中野晃一国際教養学部長の説明は矛盾や混乱があり、はっきりせず人格否定も行われました。チュー先生はハラスメント対策委員会に訴えました。

 

 労働組合は、人事局と交渉を重ねてきましたが、説明ができす審査の過程は闇の中のままで明らかになりません。チュー先生の救済を法人に求めてきましたが、上智学院はハラスメント問題に向き合うことなく、被害を訴えるチュー先生を追い出すことを決めたのです。チュー先生の研究と教育活動と生活を奪う非人道的な上智学院の解雇通告
に、怒りをもって抗議します。